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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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JANE MONHEIT / Takeing A Chance On Love

2005年05月25日 20時54分03秒 | JAZZ
 ジェーン・モンハイトは若手のジャズ・シンガーで、このアルバムの前にも数枚の作品を出しているようですが、なんでもソニー・クラシカルに移籍しての第1作となるようです。テーマは往年のMGMミュージカル作品集とのことであり、こういう選曲はもろに私好みの路線なので、半年くらい前のある日、ショップでみかけて一発で購入を決めました。

 実際聴いてみた印象としては、とにかく歌が巧い....これに尽きます。最近のジャズのミュージシャンは、学校でみっちりと教わってくるせいか(笑)、テクニックと音楽的素養みたいなものに関してはほぼ完璧にマスターしてデビューする人が多い訳ですが、彼女の場合、そのヴォーカル版という感じですかね。実に巧いです。特に音程の正確なコントールはぶり特筆ものとってもいいでしょう。おまけにそれがジャズ的かということはさておくとして、非常に澄んだチャーミングでポップな声をしていて、テクニック至上主義的な冷たさやいやらしさがないのもいいです。

 内容ですが、まずはピアノ・トリオをバックにスウィンギーに歌った「ハニー・サックル・ローズ」からスタート。「一番影響を受けた」と公言するだけあって、エラ・フィッジェラルド風な歌い回しを連発するのは、過去のスタイルを屈託なく取り入れる今時のジャズ世代らしく屈託なく楽しめるという感じがします。さて、前曲をイントロにアルバムが本格的にスタートするのは、次の「イン・ザ・スティル・オブ・ザ・ナイト」でしょうか。この曲からオーケストラがバックについて、いかにもゴージャスなジャズ・アルバムな様相を呈してくるからです。ちなみにこの曲、ボサ・ノヴァ風なリズムを使って編曲されていますが、こうなるとどうしたってダイアナ・クラールの「ルック・オブ・ラブ」を思いだしちゃいますよね。3曲目のタイトル・トラックは彼女のヴォーカルの小気味よさ、チャーミングさ、ポップさがよく現れた曲といえるでしょう。2コーラス目以降のフェイクの巧さもいいです。ビッグ・バンドをバックに歌う「アイ・ウォント・ダンス」も同様です。

 ついでにいえば、ピアノやアコギのみバックにしっとり歌う曲もあり、このアルバム、実に様々フォーマットで彼女の魅力をいろいろ引き出しているという感じです。ソニー・クラシカルとしては、ダイアナ・クラールに対抗すべき自社のキャラクターとして、まさに勝負をかけたという感じもする豪華さです。このアルバムがどの程度アメリカで受けているかは知りませんが、このキャラクターでこの豪華さ、ついでにルックスもグーとくれば、まずは成功しているんじゃないでしょうか。ちなみにこの人には、大スターになるべく華というかオーラのようなものを感じますので、今後の活動に二重丸で注目したいと思います。 
 
コメント (2)
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