ビル・エヴァンスという人には、それこそもう沢山の傑作アルバムがある訳ですけれど、もし私がエヴァンスのことを知らない人に、たった1枚だけ彼の作品を薦めるとしたらこれを選びます。まぁ、恐らく大部分の人は「ワルツ・フォー・デイビー」かってことになると思うんですけど、僕の場合はなんといってもこれ。
彼の作品というと、スコット・ラファロという夭折したベーシストが入っていた時期のアルバムが(前述の「ワルツ・フォー・デイビー」もそう)、異常に高く評価されているようですが、個人的にはラファロとエヴァンスとの丁々発止なやりとり(インタープレイ)って、ベースの自己顕示欲がちょい強過ぎて、時に緊張感が高まりすぎてしまい、聴いていて疲れてしまうことがあるんですよね。
その点このアルバムは、同じようにインタープレイをフィーチャーしても、ベースのチャック・イスラエルが地味で控えめなタイプのせいか、ピアノを押しのけて自己主張するような場面が少ないですし、ラリー・バンカーの豪快なドラムも含め、いかにもピアノ・トリオらしいピアノ・トリオという感じで安心して聴いていられるんです。
また、リバーサイドから移籍したヴァーブというレーベル・カラーにエヴァンスが染まったのかどうかは知りませんが(笑)、各曲ともに原曲をあまりこねくりまわさず、ストレートな演奏になっているのも親しみやすさを感じさせるポイントだと思います。
具体的にいえば、「イスラエル」、「エルザ」、「降っても晴れても」の3曲は前述のラファロ在籍時のアルバムでも演奏していたものですが、躍動感やロマンティッテシズム、あるいは歌いまわしといったものが、以前に比べ、とてもすっきりして表現されていますし、「ラウンド・ミッドナイト」や「アワ・ラブ・イズ・ヒア・トゥ・ステイ」といった大スタンダードも、エヴァンスらしい詩的な美しさだとか、ある種の柔らかさのようなものを感じさせながらも、曲の雰囲気を尊重した極めて正攻法なアレンジで安心して聴いていられると感じです。
そんな訳で、エヴァンスの入り口にこの「トリオ`65」という作品はけっこうぴったりだと思うんですけど、どうでしょうか?。まぁ、求道的にジャズを極めたいなどと考える人には、やや甘口かもしれませんけど(笑)、少なくとも「リラクゼーションと適度な緊張感のほどよいバランス、センス良い歌心に満ちた演奏」ってあたりにジャズの感興をお求めの方には極上の1枚かと思います。
彼の作品というと、スコット・ラファロという夭折したベーシストが入っていた時期のアルバムが(前述の「ワルツ・フォー・デイビー」もそう)、異常に高く評価されているようですが、個人的にはラファロとエヴァンスとの丁々発止なやりとり(インタープレイ)って、ベースの自己顕示欲がちょい強過ぎて、時に緊張感が高まりすぎてしまい、聴いていて疲れてしまうことがあるんですよね。
その点このアルバムは、同じようにインタープレイをフィーチャーしても、ベースのチャック・イスラエルが地味で控えめなタイプのせいか、ピアノを押しのけて自己主張するような場面が少ないですし、ラリー・バンカーの豪快なドラムも含め、いかにもピアノ・トリオらしいピアノ・トリオという感じで安心して聴いていられるんです。
また、リバーサイドから移籍したヴァーブというレーベル・カラーにエヴァンスが染まったのかどうかは知りませんが(笑)、各曲ともに原曲をあまりこねくりまわさず、ストレートな演奏になっているのも親しみやすさを感じさせるポイントだと思います。
具体的にいえば、「イスラエル」、「エルザ」、「降っても晴れても」の3曲は前述のラファロ在籍時のアルバムでも演奏していたものですが、躍動感やロマンティッテシズム、あるいは歌いまわしといったものが、以前に比べ、とてもすっきりして表現されていますし、「ラウンド・ミッドナイト」や「アワ・ラブ・イズ・ヒア・トゥ・ステイ」といった大スタンダードも、エヴァンスらしい詩的な美しさだとか、ある種の柔らかさのようなものを感じさせながらも、曲の雰囲気を尊重した極めて正攻法なアレンジで安心して聴いていられると感じです。
そんな訳で、エヴァンスの入り口にこの「トリオ`65」という作品はけっこうぴったりだと思うんですけど、どうでしょうか?。まぁ、求道的にジャズを極めたいなどと考える人には、やや甘口かもしれませんけど(笑)、少なくとも「リラクゼーションと適度な緊張感のほどよいバランス、センス良い歌心に満ちた演奏」ってあたりにジャズの感興をお求めの方には極上の1枚かと思います。