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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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ロブ・マドナ・トリオ / I Got It Bad And That Ain't Good

2005年02月12日 23時00分00秒 | JAZZ-Piano Trio
 いかにも澤野工房が見つけて来たらしい、洗練された美しさと、良い意味でBGMになりうるリラクゼーションを持った作品です。音楽的にはトミー・フラナガンとピル・エヴァンスの中間あたりに位置するような非常にオーソドックスなピアノ・トリオといっても良く、ロブ・マドナのピアノはややストイックなところはありますが、歌うべきところでは良く歌い、スウィングしていますし、ソロも含めスローな作品でのしっとりとしたプレイもいいムードを醸し出しています。また、ベースは比較的堅実なタイプ、ドラムは手数が割りと多いせいだからなのか、シンバル類がやたらとクリアに収録されている録音(ひょっとしてリマスタリング?)のせいかどうかはわかりませんが、リズムに独特ななキレを感じます。

 収録曲では1曲目は「情事の終わり」の快調さがいいです。なにしろ、リズムをまるめて至極あっさりやっているんで、一聴すると「情事の終わり」と気がつかないくらい。6曲目の「アッパー・マンハッタン....」も1曲目に準じた感じで心地よいです。7曲目の「コン・アルマ」はラテン風なリズムと4ビートが交互に現れるおもしろいアレンジ。アルバム最後の「ライク・ソニー」はアルバムを掉尾を飾るに相応しいミディアム調でリラクゼーション満開の曲。ついてに2曲ほどマドナのオリジナルが入ってますが、いずれも内省的でロマンティックな曲調で、これもなかなかいいです。

 それにしても、いかにも澤野工房らしい作品ですね。なんでもこれ「幻の名盤」らしいのですが、そんな仰々しさとは無縁な「さりげなさ」が良いんじゃないでしょうか。
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