UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

CT検査にご用心!日本は世界一の医療被曝大国という現実・・・

2019-02-11 01:14:55 | 日記
福島第一原発の事故からやがて8年、この事故により多くの人々が放射線を被曝しているものの、低線量の人体への影響については、一般的見解として依然として「わからない」とされているままです。福島県で発生が認められている甲状腺がんに関しても「放射線による影響は考えにくい」と言われ続けています。

このような状況のなかで、みなさんもご存知のように原発事故が起きた福島では、放射能で汚染されている地域でも、放射線の年間被ばく線量が20ミリシーベルト以下にまで低下している地域であれば安全として、政府は避難した住民に帰宅するよう勧めています。

しかしながら、この20ミリシーベルトという値の放射線被ばくが果たして人体に安全であると言えるのかは議論のあるところです。低線量被ばくが人体に影響を及ぼすのか否か、科学的には未解明な部分が少なくないのですが、とくに福島で被ばくした人たちにとってはとても大切で関心を持たざるを得ない重要な問題です。

この問題は医学的・科学的には複雑な問題です。あるときGGIは低レベルの被ばくの影響について知り合いのお医者さんに聞いてみました。答は、「低レベルでの被ばくの影響による症状の可能性があると考えられる場合でも、ある症状が果たして放射線に起因したものであるか、あるいは他の原因に由来したものであるのか、あるいは複合的なものなのか、その見極めは必ずしも容易ではない」といったものでした

このような科学的な問題、正確に理解するのは素人にはなかなか容易ではないため、GGIをはじめとする普通の市民は、これは重要ではあるけれどややこしい問題やなあと、この問題について正面からを考えるのをついつい敬遠しがちであります。

ところが、2月のはじめに大学の医学部で放射線生物学を専門としている先生が、低線量の放射線の人体に対する影響について、動物実験などを通じて得られた最新の研究成果について公開の場で講演されることを知りました。このような第一線の研究者による話を聞くことができる機会は多くはありませんので、「これは貴重な機会だ、理解できてもできなくてもいいや、とりあえず少しは勉強してみようか・・・」などとまことに殊勝なことを考え、寒い日でありましたが、GGIは講演を聴きに出かけたのでありました。

GGIが聴きにいきましたのは、去る2月3日に同志社大学烏丸キャンパスで開催された「放射線防護基準と放射線生物学―その歴史と現状 ~放射線汚染地帯で暮らすリスクと避難を考える~」と題された公開シンポジウムです。

このシンポジウムは日本学術振興会科研費「放射線影響研究と防護基準策定に関する科学史的研究」班/放射線被ばくの科学史研究会/日本科学史学会生物学史分科会の共催によるもの。低線量被曝の人体への影響と放射線防護基準の歴史について、大学の研究者による研究成果を踏まえた講演が行われ、さらに被災者の方による避難の法的正当性についての講演、弁護士による被災者の権利を守る司法における取組についての講演なども行われました。

たいへん盛りだくさんの内容であり、その内容を十分理解できたとはとても言い難いのですが、これらの一連の講演の中から、低線量被曝の人体への影響を自ら行った動物実験などで得られた科学的データに基づいて実証的に論じられた本行忠志氏(大阪大学大学院医学系教授、放射線生物学教室)の「低線量被ばくの健康影響について~福島の甲状腺がんを中心に~」と題された講演、そのほんの一部を、病院などでの検査に際しての被ばく量につていの話の部分だけを、以下に記しておきます。以下の内容は講演にさいして示されたスライドの内容に基づいたものです。

今日の写真はこのスライドを撮ったものです。拡大して見てもたいへん見にくいので、その内容をそのまま以下に示します

表題:《日本の医療被ばく》〈世界一の医療被ばく大国〉

左上のグラフ:人口100万人あたりのCTスキャナ台数
日本のCTの数は先進国の3倍~10倍
(グラフの一番上の赤い線が日本。カナダ、ドイツ、フランス、イギリス、イタリア、アメリカとの比較。最新のデータでは、日本は人口100万人当たり約90台、他の国は10台~30台未満です。日本のCT検査装置の導入台数が突出していることがグラフからわかります)

左下と右下の円グラフ:日本と世界の自然放射線と医療放射線の被ばく量

左側の円グラフ:
日本人の年間被ばく量:合計6.0ミリシーベルト
内訳:自然放射線:2.1ミリシーベルト(宇宙線から0.3ミリシーベルト:大地から外部被ばくで0.33ミリシーシーベルト、大地からの経口摂取により0.98ミリシーベルト、大地からのラドン・ドロンの吸入が0.5ミリシーベルト)
医療被曝:3.9ミリシーベルト(円グラフの青色の部分)

右側の円グラフ:世界平均の年間被ばく量:3.0ミリシーベルト
内訳:自然放射線:2.4ミリシーベルト(宇宙線から0.39ミリシーベルト:大地から外部被ばくで.48ミリシーシーベルト、大地からの経口摂取により0.29ミリシーベルト、大地からのラドン・ドロンの吸入が1.26ミリシーベルト)
医療被曝:0.6ミリシーベルト(円グラフの青色の部分)

スライドの右側には放射線を用いた検査について以下のように記されています。

・「低線量被ばくは問題ない」という「安全神話」に基づいて「念のためにCT、ついでに  CT」など安易な検査
・胃X線検査(3~10ミリシーベルト)が他国よりも異常に多い。
・国家レベルで、胃がん検診に公費を大々的に投じて取り組んでいるのは日本だけ(多くの既 得権が絡んでいる?)
・胃がんの発見率が低い(内視鏡検査の1/5~1/10)

この上記の二つの円グラフから、日本人の医療被曝は世界平均の6.5倍にも達していることが分ります。左上のグラフから明らかなようにCT装置の使用台数は人口比で世界一ですから医療被曝のうちで大きな部分を占めるのはCT検査(コンピュータ断層撮影による検査)によるものではないかと推測されます。

上記の医療被曝についての日本人の平均値は、当然CT検査を受けたことのない人も含めての平均値ですから、実際にCT検査を受けたことがある人の個々の医療被ばく量は平均値の3.9ミリシーベルトを大きく上回っているものと考えられます(レントゲン検査がほとんどの人が受けたことがあるでしょうけれども、その回数は個人差が大きいと考えられます)。

最新のCT装置ではユニットが1回転する間に300回もの撮影を行うことが可能とされており、ウィキペディアなどによれば「被曝量は検査部位や検査方法、機器の性能や設定によって異なるが、検査によっては1回で数十~ 100ミリシーベルトを超えるX線被曝を受けることもある」とされています。

原発事故が起きた福島ではその科学的根拠・妥当性は不明であるまま年間20ミリシーベルト以下であれば居住可能とされているのですが、CT検査では場合によっては1回の検査でこの福島での基準を大幅に上回ってしまうことになるものことがあるものと考えられます。CT検査で短期的に白血球減少や脱毛などの放射線による急性症状は認めらていないようですが、長期的影響については明らかでありません。

制癌剤や切除手術を多用する現在のガン治療法に批判的であり、多くの著作がある元慶応大学医学部の放射線科の医師であった近藤誠氏も、どの著作であったか忘れたのですが、ある本で「CT検査は場合によっては1回の検査であっても、最初に通常のCT検査を行ってから、さらに造影剤を使っての検査が行われることがあり、その場合にはかなりの線量を浴びてしまうことになる・・・日本における医療被曝による被害者はかなりの数に達しているものと考えられる」という意味の指摘をしています。

つまり、放射線被ばくの問題はヒロシマ・ナガサキ、そしてフクシマだけの問題ではないのです。とりわけ乳児、幼児や少年少女などの発育盛りのある年少者は放射線に対する感受性が大人よりもずっと高いため、CT検査を受けることは問題があるものと思われます。よほどのことがない限り避けるのが賢明でありませう。大人であっても、老い先たいして長くはないであろうGGIのような後期高齢者はともかく、決して大丈夫というわけではありませぬ・・・

本行氏が示されたデータを見て、医療被曝について何からの法的な規制措置が必要ではないかとGGIは思いました。そうでないと、いつまでも日本は世界一の医療被曝大国のままであり、すぐにはその影響があらわれなくても、長期的に見て、この先どのようなことになるのか・・・気がついたときにはもう遅い、ということになるかもしれませぬ

今日は知ったかぶりで色々書きましたが、正確さに欠けていたり、オーバーな表現になっていることがあっても、ウソは決して書いておりませぬのでご信用くださいませ

なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・・
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