アベ君の気まぐれ解散により総選挙となりましたね。このため、今日はドイツや北欧諸国との比較における日本に政治地図について、にわか勉強で論じてみることにいたします
ドイツはいまや自由主義社会のリーダー的存在であるともいうべき存在ですが、ご存知のとおり、そのドイツでは一足先の9月24日に総選挙が行われました。メルケル首相率いる与党、キリスト教民主・社会同盟は、移民政策の批判を受けて右翼政党「ドイツのための選択肢」が進出したあおりで票を減らしたものの、引き続き政権を担当することになります。
ドイツにおける選挙の投票結果(得票率:朝日新聞の報道による)と各党の政治傾向は以下の通りです。
キリスト教民主・社会同盟 33.0% (中道右派)
社会民主党:20,5% (中道左派)
ドイツのための選択肢:12.6&(右翼あるいは右派)
自由民主党:10.7% (中道左派~最近は中道右派?)
左派党:9.2% (左派)
緑の党:8.9% (中道左派)
ご覧になればお分かりになると思いますが、右翼政党というべき「ドイツのための選択肢」が大きく票を伸ばしたものの(前回は4.7%)の、このたびの選挙結果からドイツの政界の主流をなしているのは「中道右派」と「中道左派」であることに変わりがないことが分ります。保守あるいは右派が主流を占めているわけではありません。
一方、これは選挙結果ではないのですが、日本における各政党の最近の支持率は以下の通りです(9月16-17日:朝日報道ステーションの調査:以下のサイトを参照)
http://www.tv-asahi.co.jp/hst/poll/201709/index.html
自由民主党:46.2% (保守あるいは右派)
民進党:11.5% (いちおうは中道右派、ただし今後、右派と左派に分裂の可能性あり)
公明党:3.5% (本来は中道右派かもしれないが、実質的には右派)
共産党:5.7% (左派)
日本維新の会:1.8% (保守あるいは右派)
社民等:0.8% (中道左派)
自由党:0.3% (正体不明、もともと右派だか、最近は中道右派~中道左派?)
支持政党なし:29.0%
新党「希望の党」:(保守あるいは右派、小池氏が「保守」と明言しています)
ドイツと日本の政党地図における政治傾向の違いに注目してください。先に述べましたように、ドイツでは、このたびの選挙で右翼政党「ドイツのための選択肢」が進出したとはいえ、政界の主流はあくまでも中道政党、つまり中道右派と中道左派です。中道左派である民主社会党(SPD)と緑の党を合わせると29.4%、それに左派政党である左派党をあわせますと、いずれも票を減らしているとはいえ、それでも合計38.6%にも達しており、政界において一大勢力をなしています。
一方、日本の場合は、圧倒的な勢力は政治傾向が「保守あるいは右派」である政党です。自民党、公明党、日本維新の会よりなる保守派あるいは右派が一大勢力をなしており、この傾向は党首が保守であることを明言している新党「希望」の発足によりさらに強まるものと考えられます。
一方、「中道右派」と言えるのは民進党のみであり、ドイツとくらべた場合、中道右派は脆弱であり著しく存在感に欠けています。さらに、ドイツでは依然として健在の中道左派が日本では今や事実上壊滅状態、いわゆる左派で一定の存在感をして召しているのは共産党のみです。
このようなドイツと日本の政治地図は大きく異なっています。まったく異なっており、互いに別世界であると言っても差し支えないほどです。
新党「希望」が出現したこともあって、このたびの総選挙の後も、たとえ自民党がかなり票を減らすことがあったとしても、保守あるいは右派(自民党、公明党、日本維新の会、新党の希望の党)が圧倒的な存在であることに何ら変わりがないであろうというのがGGIの推測です。
昨年、米国での民主党大統領候補を決める予備選において台風の目となったサンダーズ氏は、当時「北欧の社会主義の国」という表現をよく口にしていました。高負担であるが高福祉であり、安定した豊かで公正な社会を実現している、一連の北欧の福祉国家を指して言った言葉です。もちろ北欧諸国はいわゆる「社会主義国」ではないのですが、サンダース氏は米国が目指すべき政治の一つの具体的モデルとして、このような表現をしていたのでありませう。
その北欧諸国の場合、穏健な多党制であり、政治地図の中心をなしているのは中道路線であり、多くの場合、中道右派の政党と中道左派の政党による連立政権であるとされています。少なくとも、日本のように保守派あるいは右派が主流をなていることはありません。
このよう日本、ドイツ、北欧の政治地図を比較して考えた場合、日本ではこのまま保守あるいは右派的な政党による政治が戦後一貫して今後も続く可能性がきわめて大きく、その政治が人々の希望にほんとうに応えるものになることは、これまでの実績から考えてあまり期待できないであろう、したがって北欧諸国のような社会は残念ながら夢のまた夢であろう、というのがGGIの推測であります。
「希望」が出現したのに、たいして希望は見いだせないとはなんという皮肉でありませうか。むかし、歌手の岸洋子さんが「希望という名の あなたをたずねて遠い国へと また汽車に乗る・・・」と歌っておりました。しかし、汽車に乗ったって見つかりません、中途半端な希望なんか捨ててしまいなさいということでありませうか・・・
今日の写真は一昨日コンビニの新聞売り場で売っていた新聞を撮ったものです。なにやら人寄せパンダふうの女性が写っております。よろしければクリックしてご覧くださいませ
なもあみだぶ、なもあみだぶ、なもあみだぶ・・・
グッドナイト・グッドラック!