京都名物のひとつは鴨の河原のアベックすなわち二人連れです。ここを訪れる二人連れの皆さんは見事に等間隔で腰を下ろし、川面をながめながら語らいのときを過ごします。
いつであったか、ある探究心あふれる人物がフィールドワークを敢行、実際に二人連れの間の距離を測ったところ、ほぼ等間隔であることが立証された、というニュースが読んだことがあります
その結果の数値は忘れたのですが、少なくとも数メートル以上ではなかったと思います
このように人間は状況に応じて一定の距離を保つという習性があるという話を、先日4月25日の日記で紹介いたしました。
若干復習になるのですが、米国のエドワード・T・ホールという著名な学者の《隠れた次元》という本のなかで、社会的な動物である人間の個体どうしの距離感には、密接距離、個体距離、社会距離、公衆距離という四種類の距離があるとしています。
ですから、鴨の河原の二人連れのみなさんもホール先生のご宣託のとおり、無意識に適切なる距離感を有しており、そのため等間隔で座っているのでありませう。
先日の日記は以下のサイトで見られれますので、そんなどうでもいいことなんか忘れたよとおっしゃる方はよろしければご覧くださいませ
http://blog.goo.ne.jp/ugugggi/d/20170425
ところが、このホール先生のお説は状況によっては必ずしも正しくないことを、GGIは昨日、実際に鴨の河原において発見いたしました。
昨日の夕方、去る二月末に亡くなった高校時代の友人、彼のための法事と称して関係者が会食をいたしました。会場は四条大橋の近く、日本一古いエレベーターがある京都最古?のレトロのかたまりのような中華料理店、東華菜館さんでありました。
GGIは他の皆さんより一足早く着きましたしたので、このお店の3階から久しぶりの鴨川を見下ろしておりました。そうしましたら、お店の前の河原には二人連れのみさんがわんさか集合して楽しげに語らっておりました。
しかしながら、連休最終日だというわけでみなさん出かけてきたのでありませうか、二人連れの皆さん、完全に過密状態、あのホール先生がいうようには互いに一定の距離を置いて座るわけにはいきませぬ。二人連れの列は乱れに乱れております、もう十分な距離をとることはできず、となりの二人連れの会話が聞こえそうな乱脈状態です。
今日の写真は、ホール先生の説とは異なる、鴨の河原の二人連れの実態を上空から撮ったものです。ホール先生の説に合わないからといってどうということはありませぬが、クリックしてご覧いただければ幸いです。
会食の参加者の一人である京都の某有名大学、その四回生の女子学生が河原を見下ろして申しました
「わあ、ええなあ、うちなんか就職試験のまっさかりや、一日に複数の《御社》さんの面接をレンチャンで受けたり、それにもう来週あたりから公務員試験もはじまるし、憲法、勉強しとかんとあかんし・・・」と申しておりましたが、表情はその口ぶりと反対にまことに明るく就職試験シーズンを楽しんでいるかのようでありました。
グッドナイト・グッドラック!