俳人の芭蕉さんはわが近江の地を、近江八景をいたく気に入り、いっとき湖都の山の中にある庵「幻住庵」で暮らしていたことがありますが、湖畔の義仲寺の境内にある「無名庵」という庵に滞在していたこともあり、そのときに次のような句を詠んでおります
草の戸や日暮れてくれし菊の酒
この句の意味を無学のGGIなどがご説明するのはまことに失礼な話でありますが、まあ・・・
平安の昔から長寿を祝って重陽の節句には菊の酒を飲むことになっているけれど、この菊の酒とやらも隠遁の身には縁無きものだと思っていたんや、そしたら、思いがけず夕方になって弟子が一樽届けてくれた、うれしかった、ほんまにおおきにや、そやけどなあ・・・うれしいことはうれしいけどなあ・・・でもなあ・・・日が暮れてからしか届かなったのが若干淋しいというか、なんというか・・・でも、そんなイチャモン付けたらバチがあたるなあ・・・・といったところであります
かようなしだいで、今夜の写真は「草の戸」を撮ったものです、無名庵の草の戸ではありませんが、正真正銘の「草の戸」であります、義仲寺の境内にある無名庵は手入れが行き届いておりますので、はっきり申しげて、まあそれほどの草の戸ではないのです、ですから、この芭蕉さんの句にある「草の戸や」は芭蕉さんによる巧みな脚色であろうというのが慧眼GGIの邪推であります
写真の草の戸は近くの城址公園のそばにある民家の戸であります、何年も無人状態なのでしょうか、家屋はいまや緑のなかに完全に埋没しており、草の戸のみがひとり頑張っております
今は昔、旧八重葎庵が朽ちかけておりましたころも「草の戸」状態でありました、玄関の木星のドアがどうしようもなく朽ちて朽ちて・・・ある夏、兄の一人が娘を連れて、わが庵のノーザンガーデンにバッコする兵どもの夏草をかき分けかきわけてやってきて、娘に申しておりました
「ほんとにこの奥に家があるなんて、とっても思えないよなあ・・・」
グッドナイト・グッドラック!