黎明の廃人日記

最近はやや更新が途切れがち、斜めに流し読み。
貴方にも私にも人生の役には立ちません。

ああ、そっちも死んだのか

2015年02月04日 23時25分13秒 | Weblog
2月4日分。

 毎度。ネット界隈で『うしおととら』のアニメ化という話を見かけて、「何故に今更か……」というはてなマークが頭の上でぽかんぽかんと乱舞しております。幽霊です。いや、好きですよアレ。全巻買って一通り読んだもんなぁ。ただ、あれって私が高校生近辺とか、その辺りの時期の作品ですから、もう十年以上大昔の作品な訳でして。間違いなく良い作品なのは分かっているんですが、真っ先には「ファッ!?」という感想が浮かぶわけですね。
 しかしどうするんだろ、アレの原作ってすさまじく長編ですし、表現内容も今のアニメ業界でやれんのかコレ? 的なものを多く含んでいたかと思うのですけれども。一種『ヘルシング』に通じる部分も多く、全部を消化することはまず無理な筈。どこまでやるのかなーという疑問もあれば、どこまでやれるのかなーという興味も無きにしも非ず。前者はストーリーのうちどこの時点までやるのかということで、後者はあのエグみまで含む藤田節(ヒラコー節にも通ずる)を、絵柄等まで考えてどう動画という媒体で表現してくるのか。ふーむ。
 コレどうやって表現すんだよ、と言われていた『ヘルシング』や『物語シリーズ』もアニメ化して成功してきた経緯もありますし、さーてどうやって出してくるかなぁという興味はあります。ただ、うしとらの今回のアニメ化に関して懸念な点があるとすれば、OVAとかではなく「TVアニメ化」だというところなのですが……。んー、でも「まどか☆マギカ」も地上波で行けたわけだし、やれるっちゃやれるのかなぁ。

 さて、本日のネタの本題。今朝、というか昼前くらいに起きてニュースサイトを立ち上げてみれば、「イスラム国がパイロット殺害映像、ヨルダン軍「大規模報復」へ」といった話がぞろぞろと。日本人の方はもう、事件の一報を聞いた時点で、申し訳ないけれども「ああコレはもう最初から死んだものと考えて良いな」と思っていたくらいなのですが。ヨルダンのパイロットの方については、もうちょっと「利用価値」を見いだしてまともに交渉材料として温存するのでは、という考え方をしていたのですけれども。
 こうなってくると、もう「ISIL」は今回の一連の件に関しては、日本にもヨルダンにも喧嘩吹っかけて最初から交渉するという意図は無かった、ぶっちゃけ場当たりの狂信者的な「野良犬にでも噛まれたような」類のテロだったというオチなわけですね。うーん、もうちょっと理性的……という言い方はニュアンスがポジティブに見えるのでアレですが、打算的に考えている組織だと見ていたんですけれども。既にそういった余力を失っていて、組織内の上下左右で既にコントロールを半ば失っており、暴走しつつあるのかもしれません。
 あくまであれらは宗教の教義なりの「一部」を都合用解釈した「テロ集団」であり、また意思統一の取れた鉄壁の集団というわけでもなく。半ば、一時的な利害関係の一致した小集団の雑多な寄せ集めに、更に外人傭兵などを加えたごっちゃごちゃな「組織」の体をなさない「集団」でしかない、ということか。もうちょい強固な(組織内での暴力と恐怖政治で)統制の取れた組織をイメージしていたのですが、昨今のアメリカ筆頭に連携している各国の空爆やらで、そこそこには集団内のコントロールが利かせられなくなる程度まではダメージが入っている……のか。それとも、元々そんなもんなのかは、ちと判断が付きません。
 あ、何度でも書きますが、あくまで「イスラーム国」とマスコミで言われていることが多いのですが、あれらはあくまでも「国家」ではなく、聖戦による国家樹立を意図する……ということを目標には掲げていますが、ただ単なる宗教に名を借りただけの「自称・イスラム」武装過激派集団でしかありません。類似した武装集団はいくらでも中東近辺にはわいているのですが、その中でたまたま現状で勢力を広げていたのが「ISIL」というだけ。正味、今の「ISIL」を叩き潰しても、また似たような何かしらが台頭してくることにはなりましょうな、と。

 あれらが勢力を拡大できた背景は、前にも書いたことですが、「アラブの春」でそれまでの腐敗政権を叩き潰す動きが出たのはいいものの、その後を引き継げるだけの民主主義的な統治能力を持った政府を組み直せなかったことによります。ある意味、旧来の政権は腐ってはいましたが、暴力なり恐怖政治なりの手段であったとしても、地域・部族・宗派その他諸々ごっちゃな状態の一定範囲の国家という領土を抑え込むことには成功していたわけです。
 ……が、そこが思いの外「アラブの春」で脆さを露呈してガラガッシャンと崩れてしまい、かといってその後に統治能力を引き継げるだけの受け皿が民衆の中に育っておらず、結果として無政府状態な空白地帯が発生してしまった。その結果、暴力という分かりやすい権力を持った武装集団が空白地帯に躍り込んで、「オラ言うこと聞けや」と脅迫して回って力で制圧していった、といったような状態が「ISIL」による勢力拡大の超・大雑把で不正確なイメージでの話です。凄まじく細部は間違っているでしょうが、イメージとしてだけならそこまで極端には外れていないでしょう。
 これがまた、ぽこぽこと雨後の竹の子のごとく似たような武装勢力というのはいくらもあって、今「ISIL」に協力するもしくは協調するような動きをしている組織以外にも、ごろっごろいるわけです。かつ、それらとはまた別に、一桁人数というごく少数もしくは完全なる単独犯による「ローンウルフ型」のテロ犯まで出てくる始末で、しばらくはもう、出てきちゃ叩くのモグラたたきを延々繰り返すはめになるかもしれません。下手すると、ベトナム戦争で泥沼化したアメリカ軍の再現になるやも? しかも戦場はうっかりすると自国内、なんてのが起こり得ますので……。
 さてはて、まあでも「ISIL」は叩き潰しておきませんと、そこにまた「聖戦」を掲げた類似連中が集まってきてしまうので。錦の御旗に祭り上げられているだけにせよ、絶っておく必要はありましょう。

 ではでは。ひゅう、どろん。