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佐渡金山「世界遺産登録」問題で日本は歴史に向き合え

2022年02月15日 | 国際・政治
佐渡金山の世界文化遺産登録への推薦をめぐり、韓国の抗議を受けている日本の林芳正外相は2月13日(日本時間)、ハワイで韓国の鄭義溶外相と会談し、鄭氏から改めて抗議を受けるなかで、「独自の主張は受け入れられず遺憾だ」と反論しました。
日本政府の立場を表明したものですが、歴史に向き合わない、誠に情けない、お門違いの逆抗議であると言わざるを得ません。この間の夕刊フジでの安倍元首相の「新たな『歴史戦チーム』を立ち上げ、日本の誇りと名誉を守り抜け」とのインタビューに自民党や政府関係者、メディアが牽引された形ですが、「歴史修正主義」のなにものでもありません。
この問題に関し、2022年2月13日配信「JIJI.COM」、「しんぶん赤旗日曜版」メディアをよむ から記事を転載させていただき、紹介することにします。(サイト管理者)


※以下、転載はじめ↓ 


<日韓外相、佐渡金山で応酬 林氏、協議の意思伝達>

米ハワイを訪れている林芳正外相は(2月)12日(日本時間13日)、韓国の鄭義溶外相と会談した。鄭氏は「佐渡島(さど)の金山」(新潟県)を日本政府が世界文化遺産候補として推薦したことに改めて抗議。林氏は「独自の主張は受け入れられず遺憾だ」と反論しつつ、文化遺産としての価値が国連教育科学文化機関(ユネスコ)で評価されるよう韓国側と「誠実に議論を行う」と伝えた。

両外相の対面での正式会談は初めて。日米韓外相会談に先立ち約40分間行われ、日韓双方が発表した。
 
佐渡金山を「朝鮮半島出身者の強制労働の現場」とするのが韓国側の立場。会談でも鄭氏は「正しい歴史認識が未来志向の韓日関係発展の根幹だ」と強調した。
 
元徴用工や慰安婦の問題をめぐり、林氏は1965年の日韓請求権協定に反する動きがあることを念頭に「日韓関係は非常に厳しい状況にある」と指摘し、韓国側に善処を求めた。鄭氏は「被害者が受け入れられる解決策を見いだすため、外交当局間の協議を加速しよう」と呼び掛けた。
 
鄭氏は2019年に日本政府が実施した対韓輸出管理強化についても「早期に撤回されるべきだ」と述べた。


【出典】2022年2月13日配信「JIJI.COM」


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<「歴史戦」異様なNHK>

丸山重威(まるやま・しげたけ=ジャーナリズム研究者)
 
政府は閣議で佐渡金山(新潟県)の世界文化遺産への推薦を決定しました(1日)。同金山では、太平洋戦争の末期、日本の植民地下にあった朝鮮人の強制労働があり、韓国政府は強制労働の被害を主張しています。

多くの新聞社説は、歴史に向き合うことを主張します。

「歴史の一部に頬かぶりするような推薦では、国際社会の理解は得られまい」(「東京」4日付)、「負の側面をめぐる指摘には謙虚に向き合い…調和の姿勢を日本は心がけるべき」(「朝日」2日付)、「近隣国との対決姿勢を演出する思惑で文化を政治利用するような振る舞いは、むしろ国益を損ねる」(「毎日」1日付) 他方、「読売」社説」(1月29日付)は「強制労働があったという韓国側の主張は事実に反(する)」といいます。
 
夕刊フジ(同27日付)は、安倍晋三元首相の「新たな『歴史戦チーム』を立ち上げ、日本の誇りと名誉を守り抜」けとのインタビューを載せました。
 
異様なのはNHKの同調ぶりです。同27日の「シブ5時」で、岩田明子解説委員は官邸に設置された「歴史戦チーム」について、「政権の歴史認識に基づいて歴史的な事実を集めて、検証を進め、国際社会の理解を得るための戦略を練る」と説明しました。

要するに「歴史戦」とは、政権に都合のいい「事実」を集め歴史を改ざんし、他国と論争する、国際的に批判される「歴史修正主義」のようなものです。
  
「歴史戦」は2014年、「産経」が連載で言いたしました。「慰安婦」問題などの批判を「歴史を武器にした戦争」だとし「勝たなければ…」というのです。

しかし歴史は戦争ではなく、大切なのは事実。新潟県や相川町の公文書には朝鮮人強制労働が記録されています。メディアの責務は、隣国の民族への差別と迫害の歴史に向き合い、知らせることです。


【出典】2022年2月13日付け「しんぶん赤旗 日曜版」メディアをよむ


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