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男女平等度示す「ジェンダーギャップ指数」日本125位――前年からさらに後退

2023年06月25日 | 国際・政治
■日本は146ヵ国中125位、前年から9つ後退する

世界経済フォーラム(WEF)は6月21日、世界各国の男女平等度を示す「ジェンダーギャップ指数」(※)の2023年版を発表しました。

日本は総合ランキングで146ヵ国中125位と、前年から順位を9つ落としました。

引き続き政治や経済の分野で特に遅れが目立ち、先進国では最下位でした。


■政治、労働・経済、教育の各分野でも低迷
 

●議員や閣僚級ポストに占める女性の比率が依然として低く、政治分野は138位(前年は139位)。

【政治】0.057(138位)
国会議員(衆院議員)の男女比 0.111(131位)
閣僚の男女比 0.091(128位)
過去50年間の行政府の長の在任期間の男女比 0.000(80位)


●労働参加率や賃金の男女格差などを反映し、経済分野も123位(同121位)にとどまりました。

【経済】0.561(123位)
労働参加率の男女比 0.759(81位)
同一労働における男女の賃金格差 0.621(75位)
推定勤労所得の男女比 0.577(100位)
管理的職業従事者の男女比 0.148(133位)


●前年は他20ヵ国と並んで首位だった教育分野でも47位にランクを落としました。女性の高等教育の就学率の低下が響きました。
 
【教育】0.997(47位)
識字率の男女比 1.000(1位)
初等教育就学率の男女比 1.000(1位)
中等教育就学率の男女比 1.000(1位)
高等教育就学率の男女比 0.976(105位)


■北欧諸国が上位、日本はG7でも東アジア太平洋地域でも最下位

総合首位は14年連続でアイスランド。2位にノルウェー、3位にフィンランドが入り、北欧諸国が上位を占めました。

日本以外の主要7ヵ国(G7)では、ドイツが6位、英国が15位、カナダが30位、フランスが40位、米国が43位、イタリアが79位で、日本は主要7ヵ国(G7)中、最下位(125位)でした。

さらに、日本は韓国(105位)や中国(107位)を下回り、東アジア太平洋地域19ヵ国中でも最下位(125位)でした。

WEFによると、男女平等度は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の水準まで回復したものの、「危機の収束を受けて進展のペースは鈍化している」。

全体の改善率は前年比で0.3%にとどまり、このペースではジェンダーギャップをなくし完全な男女平等の達成をするには131年後の2154年までかかると予測しました。


■主な国の「ジェンダーギャップ指数」

上位国と主な国の「ジェンダーギャップ指数」(かっこ内は前年順位と前年比の指数の変化)

1 アイスランド 0.912(1、+0.004)
2 ノルウェー 0.879(3、+0.034)
3 フィンランド 0.863(2、+0.003)
4 ニュージーランド 0.856(4、+0.014)
5 スウェーデン 0.815(5、-0.007)
6 ドイツ 0.815(10、+0.014)
7 ニカラグア 0.811(7、+0.001)
8 ナミビア 0.802(8、-0.005)
9 リトアニア 0.800(11、+0.001)
10 ベルギー 0.796(14、+0.003)
11 アイルランド 0.795(9、-0.010)
12 ルワンダ 0.794(6、-0.017)
13 ラトビア 0.794(26、+0.023)
14 コスタリカ 0.793(12、-0.003)
15 英国 0.792(22、+0.012)
16 フィリピン 0.791(19、+0.009)
17 アルバニア 0.791(18、+0.004)
18 スペイン 0.791(17、+0.002)
19 モルドバ 0.788(16、-0.001)
20 南アフリカ 0.787(20、+0.005)

40 フランス 0.756(15、-0.035)
43 米国 0.748(27、-0.021)
105 韓国 0.680(99、-0.010)
107 中国 0.678(102、-0.004)

124 モルディブ 0.649(117、+0.001)
125 日本 0.647(116、-0.002)
126 ヨルダン 0.646(122、+0.007)

144 アルジェリア 0.573(140、-0.030)
145 チャド 0.570(142、-0.008)
146 アフガニスタン 0.405(146、-0.030)

地域別にみると、欧州のスコアは0.763で全地域中最も高く、前年トップだった北米(0.750)を逆転しました。
最も低かったのは中東・北アフリカ(0.626)で、南アジア(0.634)が続いています。


(※)ジェンダーギャップ指数とは、スイスのシンクタンク、世界経済フォーラム(WEF)が2006年からほぼ毎年発表している世界各国の男女平等度を示す指数。政治、経済、教育、健康の4分野で国別の男女格差を数値化し、順位付けしています。経済分野では、同じ職種での男女間の賃金格差や、管理職に占める男女比などが対象となります。日本では1999年に男女共同参画社会基本法、2016年には女性活躍推進法が施行されましタ。指数は2006年の初回調査から大きく改善しておらず、国別ランキングでは常に下位にとどまっています。(時事)


【出典参考】2023年6月21日配信「SDGs ACTION!」、22日付け「しんぶん赤旗」



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