とだ九条の会blog

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反戦語る気骨の平和主義者、ノーベル物理学賞受賞の益川氏

2008年10月09日 | 国際・政治

10月7日、うれしいニュースが飛び込んできました。ノーベル物理学賞に日本人3氏が受賞したという知らせです。ノーベル物理学賞を受賞したのは、南部陽一郎氏(米シカゴ大名誉教授・87歳)、小林誠氏(高エネルギー加速器研究機構名誉教授・64歳)、益川敏英氏(京都大名誉教授、京都産業大教授・68歳)の3氏。
受賞の対象は、35年前、物質の最小構成単位のひとつ「クォーク」がまだ3種類しか見つかっていない時代に、クォークが6種類必要なことを理論的に解明した素粒子に関する論文。2002年に、その理論が正しいことが実験的に証明されました。

一挙に3人も日本人がノーベル物理学賞を受賞したこともうれしいのですが、さらにうれしかったのは、そのノーベル物理学賞を受賞したお一人、益川敏英・京都産業大教授が、「反戦」を語る気骨の平和主義者でもあるということが報道されたからです。10月8日付け「毎日新聞」では、次のように記されていますのでご紹介します。

作家の大江健三郎さんらが作った「九条の会」に連動し、05年3月、「『九条の会』のアピールを広げる科学者・研究者の会」が発足した。益川さんは呼びかけ人の1人だ。同時期に誕生したNPO法人「京都自由大学」では初代学長に就任し、市民の中に飛び込んで平和を語った。

原点は幼少期の体験にある。益川さんは名古屋市に生まれた。小学校入学前、第二次世界大戦を体験し、焼夷(しょうい)弾が自宅の屋根を突き抜けた。「不発だったが、周囲はみな燃えた。両親はリヤカーに荷物を積んで逃げまどった。あの思いを子孫にさせたくない」と言う。

05年、自民党が憲法改正に向けた要綱をまとめた。中国で反日デモが相次ぎ、JR福知山線事故が発生した。平和と命の重みが揺らいだ。当時、益川さんは「小中学生は憲法9条を読んで自衛隊を海外に派遣できるなんて考えない。だが、政府は自衛隊をイラクに派遣し、更に自衛隊の活動範囲を広げるために改憲を目指す。日本を戦争のできる国にしたいわけだ。僕はそんな流れを許容できない」と猛然と語った。

1955年、アインシュタインら科学者11人が核兵器廃絶を求め「ラッセル・アインシュタイン宣言」に署名した。その1人が益川さんが尊敬する日本人初のノーベル賞受賞者、湯川秀樹博士だ。「湯川先生の原動力は核で人類が滅ぶ恐怖だったと思う。僕はより身近に、一人一人の今の生活を守りたい。その実現に、戦争はプラスですかと問いたい。殺されたって戦争は嫌だ。もっと嫌なのは自分が殺す側に回ることだ」と強調する。

受賞から一夜明け、「専門外の社会的問題も考えなければいい科学者になれない。僕たちはそう学んできた」と力を込めた。

科学は「平和」のために活かされなければなりません。益川さんの姿勢に改めて感動を覚えました。

【出展】2008年10月8日付け「毎日新聞」より

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