tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

絶対多数の怖さ、国家予算も、働き方改革も

2018年03月30日 11時17分13秒 | 政治
絶対多数の怖さ、国家予算も、働き方改革も
 2月28日に衆院を通過した平成30年度国家予算が成立の運びとなりました。安倍総理は早く成立させ早く執行することが最大の景気対策と言っています。

 国債依存度は前年度比微減ですが、規模は史上最大、その中身には、北朝鮮有事、安倍総理の言う国難を想定したイージス・アショアの調査費や戦闘機の購入代も入っているようです。その北朝鮮情勢は新展開を見せていますが、この所、国会での議論は森友問題一色で、国民の納得するような状況には至っていません。

 与党は、これから働き方改革の成立という運びにするようですが、「絶対多数」を握る与党には何でもできるようです。与党サイドはこれでモリカケ問題は幕引きと考えているのでしょう。新しい問題が多いから、早くそうしたいという事のようです。

 先の総選挙で、過半数が取れればと言っていた安倍政権ですが、案に相違して、与党で絶対多数が実現しました。
 現在は多くの世論調査で30%台に急落している政権の支持率ですが、安倍総理は、さきの選挙で国民の負託を得ていますからと胸を張っています。

 安倍政権になって、数を頼んで、怒号の中で議事録も正確に取れずに採決がなされるなど、いわゆる強行採決が重なっています。安倍総理は「強行採決」などは考えたこともしたこともないと言います。

 民主主義政治というのは一体何でしょうか。絶対多数を取れば何でもできるのでしょうか。それを阻止するために解散総選挙に持ち込んでも、また前回のように、思いがけず与党で絶対多数が取れてしまった、という事もあるのです。

 与党が得票したのですから、与党が悪いというわけにはいかないでしょう。では国民が間違ったのかといえば、投票する多くの国民は与党が絶対多数を取るとは思っていないのかもしれません。
 世論調査でいつも言われるように、「他の政権よりよさそうだから」という事で投票した結果でしょう。

 では野党がだらしないのかといえば、そうかもしれませんが、野党も国民の適切な意思表示と支持で育てられるのでしょう。それではやっぱり国民の意思表示と判断が最も重要という事になるのでしょうか。

 理屈はいろいろあるでしょうが、矢張り絶対多数には問題があるようです。絶対多数を取れば何でもできるという事になれば、取った瞬間に独裁すら可能になりそうです。

 ナチスの故事を引くのは適切でないのかもしれませんが、現状の支持率30%台に低下した政権が、絶対多数を盾に、「国民の負託を受けた」と開き直る現状をどう理解したらいいのでしょうか。
与党、野党、そして究極の主人公である国民はどう考えていったらいいのでしょうか。