tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

北朝鮮問題、解決本格化か

2018年03月29日 11時00分19秒 | 国際関係
北朝鮮問題、解決本格化か
 金正恩氏の電撃訪中が報道されました。映像から見れば、習主席は「朋あり遠方より来たる、また楽しからずや」を思わせるような様子で迎えました。

 北朝鮮に帰りつくまで隠密行動でしたが、金正恩氏にしてみても、この間まで悪口を言っていた相手です、命運を賭けた行動だったのかもしれません。

 「結果良ければすべて良し」ではありませんが、その席で、非核化への道筋も示し、対韓、対米会談へのレールも何とか敷けたという所でしょうか。
 極東における癌とも見られた北朝鮮の、こうした変貌が現実になれば、極東の安定だけでなく、世界各地の紛争にも、何らかの影響がありうるかもしれません。

 このブログでも去る3月7日[ 南北対話の進展」に期待したわけですが、その折、金正恩氏も『強兵』より『富国』がいいと気づくことがあればと書きました。

 金正恩氏もサンクション(制裁)の徹底でそこへ追い込まれたのか(アメリカの視点)、核とミサイルで、対米対抗能力ができ、北朝鮮の力、自らの統治能力に自信を持ち、転換は可能と自身が考えたのか、その両方か、心の内は解りませんが、この変化は単なるゼスチャーではないように感じられます。

 いずれにしても、5月の米朝会談の結果いかんで方向は決まって来るのでしょうが、平穏と平和の方向で物事が進展することを世界は望んでいるのでしょう。

 微妙な問題ですから、あからさまに取り上げているのはあまり見られませんが、金正恩氏の、ある意味では最大の望みは(わが身の安泰も含めて)「金王朝」の存続でしょう。尊敬し、敬愛する金日成、金正日という祖父と父、そして三代目の自分自身の時代に、アメリカに対抗できる国に作り上げ、極東の孤児から世界に認められる国となったといった自意識は強いでしょう。

 問題は沢山あります。数多の脱北者という現実が示しますように、極貧の国内には問題も多いでしょう。粛清と独裁によるガバナンスが今後も維持できるかはこれも賭けかもしれません。

 米朝、中朝、南北の国際問題の軋轢は安定化、正常化に向かうかもしれません。しかし、金正恩氏にとっては、これからの国内問題はさらに重要でしょう。予断は許されないのではないでしょうか。

 近隣国としての日本、拉致問題を抱え、それも今はアメリカ頼みの日本です。これからの展開をどう見、どう処するか、(蚊帳の外などといわれていますが)これからが日本の外交力の問われる所のようです。