tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

公示地価上昇、一部にバブルも?

2018年03月28日 09時42分41秒 | 経済
公示地価上昇、一部にバブルも?
 昨日、国土交通省から2018年1月1日現在の公示地価が発表になりました。
 バブル崩壊以来ずっと低迷してきた地価が、この3年じりじりと上昇に転じたようです。

 背景には、長期不況を脱した日本経済が回復基調を明確にしてきているといった基本的事情があることは当然ですが、それに加えて、異次元金融緩和の副作用、さらに、一部地域においては、訪日外国人の増加でホテル需要、高級別荘需要などが急増など、バブルに近いような値上がりも起きているようです。

 全国平均の地価は2018年1月1日現在、全国平均で、0.7%、内訳は住宅地0.3%、商用地1.9%です。
上昇を先導する3大都市圏(東京、大阪、名古屋)の地価は、1.5%の上昇、住宅地0.7%、商用地3.9%です。
東京圏は1.7%の上昇で、住宅地1.0%、商用地3.7%になっています。
 大阪圏は、1.1%の上昇ですが、人口減少が言われるせいか、住宅地は0.1%の上昇ですがが、商用地が東京圏より高い4.7%です。
 名古屋圏は、1.4%の上昇で、住宅地0.8%、商用地3.3%です。

 地価の上昇には大きく2つの見方があって、1つは、土地というのは、人間の生活の基盤(人間はその上で生活しています)で、生活に必須ですから、そういうものを投機の対象にしたりするのは良くないというものです。
 もう1つは、地価が上がれば必ず景気は良くなるから、経済的には地価の上昇は歓迎すべきものといったものです。

 どちらに与するかは別として、平均的な家計の収入や支出と似た水準の動きであれば、それは正常といえるというのが判断の基準ででしょうか。
 現状では、一部に投機的な動きがあるようではありますが、平均的には一部市街地などを除いて概ね正常の範囲にあるのでしょうか。

 しかし、かつての土地バブル、地価神話とその崩壊で苦労した日本経済、日本人としては、地価の動きには十分留意する必要があるように思います。
大阪の商用地の1年で4.7%上昇というのも、大阪の産業活動の実態と比べてどうなのでしょうか。

 報道によれば、海外からのスキー客などの増加で、北海道倶知安町では昨年比35.6%という全国一の上昇率の所もあるそうで、札幌でも24.7%上昇の所があるそうです。
 外国の高所得者の感覚の土地住宅価格が日本に入ってくるという事でしょうが、今様租界現象とも言えそうです。
かつてバブル期に、銀行の店舗が出来るとその近隣の地価が上がるなどといわれましたが、その背後にも超金融緩和があったようです。
 地価問題については、今後もよく見ていく必要があるようです。