tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

政治家と官僚:望ましい関係とは?

2018年03月21日 09時59分13秒 | 政治
政治家と官僚:望ましい関係とは?
 日経産業新聞に、毎週金曜日でしたか「田中角栄のふろしき」というタイトルで、「小長秘書官の証言」という大きなコラムが載ります。

 小長啓一氏は通産省から田中角栄の秘書官になり、後に通産省事務次官、アラビア石油社長を務められた方です。
 この囲みを読んでいますと、田中角栄の凄さ、小長氏の記憶の素晴らしさ、などなど驚くことがいっぱいですが、こういうのが政治家と官僚のあるべき関係の姿ではないかと、つくづく感じるところがあります。

 政治家は、その人間性、大局観、洞察力、自信といった素晴らしい資質で物事を判断し、官僚は、政治家の人間としての大きさ、傑出した洞察力や判断力に感銘し敬意を払いながら、政治家の行動の細部をきちんと詰めていくのです。

 政治家と官僚は役割が違います。だから選び方、選ばれ方も違いますし、やるべきことも違います。
 しかし、政治家だけで物事は進みませんし、官僚がいて政治家の仕事は進んでいくのでしょう。
 つまり、政治家と官僚がうまく組み合わされて、国という組織の運営が、初めて可能になるのでしょう。

 しかし、政治家は政策の基本や方針といった大きな視点が中心ですから、具体的な政策の勧め方、行動のとり方などの細部の判断は官僚の仕事ですし、そうした点で問題があれば、率直に政治家に話して理解してもらうことが必要でしょう。

 そんなことに今頃気が付いたのかといわれそうですが、この所のニュースなどを見ていますと、どうも今の政権ではこの関係がかなり歪んでしまっているように見えるからです。

 官僚は、実際の政策遂行過程でも問題点を率直に政治家に相談せず、いわゆる「忖度」で物事を済まそうとし、その結果問題が発生すれば、今度は、政治家が官僚の誤りによるものと決めつけるといった、政治家と官僚の泥仕合のような様相すら見えます。

 与党の政治家が、官僚を犯罪者の様に決めつけようとする発言をするような場面さえ見られますが、国民からすれば、これは「政治家と官僚の関係」からすれば、最悪の状態ではないかと感じてしまいます。

 ここまで来たという事は、すでに日本の統治機構は破綻しているのではないか、その修復は容易でないと感じて、前途に暗澹たる気持ちを禁じえない方も多いのではないでしょうか。 こんなことで、まともなに国の運営が進むのでしょうか。