tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

強いられる円高に要注意

2018年03月17日 06時47分05秒 | 国際経済
強いられる円高に要注意
 1月の25日に「 微妙に変化する?アメリカのドル政策 」を書きました。
 トランプさんが「ドルは高すぎる」といい「ムニューシン財務長官」がダボス会議でドル安容認の発言をしたといったニュースが流れたからです。

 そのあとすぐにトランプ政権は、矢張りドルは強くあるべきだという伝統的な主張に切り替えたようですが、そこのは「長期的には」という形容詞が入っていました。
 そして現実のドルの動きは、その後、1$=105円台と106円台を行き来するような円高定着傾向という事になっています。

 マスコミは、鉄鋼アルミの関税問題が、アメリカ経済の足を引っ張るとの思惑でドルが売られ・・・、などといっている様ですが、どうも、基本的にはアメリカ自体が「ドル安」指向になってきているように感じるのは私だけでしょうか。

 これから、中国、韓国、日本などに対して、貿易交渉を本格化するというようなことになりそうですが、国際投資資本を援軍に付けて、ドル安圧力も併せて、交渉に臨むこともアメリカには可能なのかもしれません。

 一時の$1=¥120からみれば15円の円高、最近で見ても5円の円高です。円高は日本の物価には強力な引き下げ圧力ですから、いくら日銀が2%インフレといっても、5%近い円高ドル安で、そんな願望は消し飛ぶことになります。

 こんな大事な時に麻生財務大臣はG20を欠席です。理由は「森友」という極めて低次元の問題ですから、何か日本の政治に虚しさを感じてしまいます。

 2月20日に 政府が円レートについて如何なる姿勢を持っているのか と問いました。
プラザ合意やリーマンショックを顧みれば明らかですが、現状の日本経済にとっては5円10円の円高でも、経済成長路線、財政再建計画に致命的な影響を及ぼす可能性は大です。

 低次元の行政の問題で、国民の不信感を増幅するだけではなく、国際経済関係で見れば、まさにこれこそ国難にも関わるような重要な国際会議に財務大臣が欠席では、安倍政権は、本気で国のため、国民のための政治をしているのかと問いたくなる人も少なくないでしょう。
 
 日本経済は、まさに国民の真面目さが支えているとつくづく実感するこの頃です。政府は、少なくとも国民の真面目な努力の邪魔はしないでほしいと思ってしまいます。