tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

経済の推移はやはり投資中心の動き

2018年03月09日 11時18分36秒 | 経済
経済の推移はやはり投資中心の動き
 昨日、2017年の10-12月のGDPの第二次速報値が発表になりました。第一次速報の上方修正になって、日本経済の推移は一応順調という所でしょうか。

 報道では、第一次速報の前期比実質成長率0.1%が0.4%に修正され、年率換算の成長率(いわゆる瞬間風速)は0.5%から1.6%の成長に上方修正されたという事で、原因は、民間企業設備と在庫投資が押し上げたとのことです。(以下全て実質値)

 3月1日に、「法人企業統計季報」が発表になり、民間企業設備投資や在庫投資の数字がほぼ確定、その数字を織り込んだ結果という事でしょう。

 調査結果の各項目の数字を見ますと、前期比の国内需要が0.1%増から0.4%増になっているので、上方修正に原因はすべて国内で、うち、民間需要が0.3%増から0.6%増、公的需要が0.2%減から0.0(横這い)になったことが解ります。

 民間需要の中では消費需要は第一次速報と0.5%増で変わりませんが、企業の設備投資が0.7%増から1.0%増に、在庫投資の増えた分が0.2%の潜在的押し上げているとなっています。
 在庫投資は、不良在庫はお荷物ですが、販売好調で増産した結果であれば、これから販売してGDP増加に貢献するというものです。現状は後者でしょう。

 公的需要では、公的資本形成(公共投資など)が0.5%減から0.2%減になっています。しかしこれがGDPを押し上げるほどではないとなっています。

 結果的には、企業設備投資が第一次の予想より多かった、という事にほぼ尽きるようで、年末商戦などで、少しは消費景気が出て来たかと思われたのは儚い夢だったということのようです。

 対前年同期比で見ても、民間企業設備は第一次速報の3.0%から3.5%に増えていますが、民間消費支出は1.1%増で変っていません。どう見ても日本経済は投資主導です。

設備投資だけで引っ張っても、作ったものが国内で売れないと輸出するか投資や生産を抑えるかになります。輸出するとトランプさんがうるさいし、生産を控えれば経済減速ですから、何とか、(国民の将来不安を解消して)消費需要が伸びるような経済にしていきたいものです。