現在,専門資格者法人においては,弁護士及び社会保険労務士は,いわゆる1人法人が認められている(弁護士法第30条の8第1項及び社会保険労務士法第25条の11第1項には,司法書士法第32条第1項のように「共同して」の文字がない。)。
弁護士法
(設立の手続)
第30条の8 弁護士法人を設立するには,その社員になろうとする弁護士が,定款を定めなければならない。
2・3 【略】
司法書士法
第32条 司法書士法人を設立するには,その社員となろうとする司法書士が,共同して定款を定めなければならない。
2・3 【略】
弁護士1人の弁護士法人において,当該弁護士が死亡した場合は,如何?
この場合,「社員の欠乏」(弁護士法第30条の23第1項第7号)に該当し,当然に清算が開始する。弁護士法には,会社法第608条のように,死亡した社員の相続人その他の一般承継人が当該社員の持分を承継する旨を定款で定めることができるような規定は置かれていないので,例外はない。
それでは,清算人は,どのようにして選任されるか?
弁護士法第30条の30第2項は,会社法第647条の規定を準用しているが,社員が欠乏の状態にあるわけなので,同条第3項の規定により,利害関係人若しくは法務大臣の請求により又は職権で,裁判所が清算人を選任することになる。社員の相続人には,何ら決定権はない(会社法第647条第1項第3号参照)。そして,清算人は,弁護士でなければならない(弁護士法第30条の26第1項)とされている。
裁判所から選任された清算人は,清算手続を進めるわけであるが,「継続」することが認められている(弁護士法第30条の24)。社会保険労務士法人についても同様の規定がある(社会保険労務士法第25条の22の2)。
弁護士法
(弁護士法人の継続)
第30条の24 清算人は,社員の死亡により前条第1項第7号に該当するに至つた場合に限り,当該社員の相続人(第30条の30第2項において準用する会社法第675条において準用する同法第608条第5項の規定により社員の権利を行使する者が定められている場合にはその者)の同意を得て,新たに社員を加入させて弁護士法人を継続することができる。
司法書士法人については,1人法人は認められておらず,司法書士法が定める解散事由として「社員の欠乏」は列挙されていない(司法書士法第44条第1項,第2項参照)が,社員の同時死亡等によって社員が欠乏となった場合には,当然解散すると考えられている(小林昭彦・河合芳光「注釈司法書士法(第3版)」(ぎょうせい)376頁)。この場合の清算人の選任手続は,上記弁護士法人の場合と同様である。ただし,「継続」することはできない。
弁護士法
(設立の手続)
第30条の8 弁護士法人を設立するには,その社員になろうとする弁護士が,定款を定めなければならない。
2・3 【略】
司法書士法
第32条 司法書士法人を設立するには,その社員となろうとする司法書士が,共同して定款を定めなければならない。
2・3 【略】
弁護士1人の弁護士法人において,当該弁護士が死亡した場合は,如何?
この場合,「社員の欠乏」(弁護士法第30条の23第1項第7号)に該当し,当然に清算が開始する。弁護士法には,会社法第608条のように,死亡した社員の相続人その他の一般承継人が当該社員の持分を承継する旨を定款で定めることができるような規定は置かれていないので,例外はない。
それでは,清算人は,どのようにして選任されるか?
弁護士法第30条の30第2項は,会社法第647条の規定を準用しているが,社員が欠乏の状態にあるわけなので,同条第3項の規定により,利害関係人若しくは法務大臣の請求により又は職権で,裁判所が清算人を選任することになる。社員の相続人には,何ら決定権はない(会社法第647条第1項第3号参照)。そして,清算人は,弁護士でなければならない(弁護士法第30条の26第1項)とされている。
裁判所から選任された清算人は,清算手続を進めるわけであるが,「継続」することが認められている(弁護士法第30条の24)。社会保険労務士法人についても同様の規定がある(社会保険労務士法第25条の22の2)。
弁護士法
(弁護士法人の継続)
第30条の24 清算人は,社員の死亡により前条第1項第7号に該当するに至つた場合に限り,当該社員の相続人(第30条の30第2項において準用する会社法第675条において準用する同法第608条第5項の規定により社員の権利を行使する者が定められている場合にはその者)の同意を得て,新たに社員を加入させて弁護士法人を継続することができる。
司法書士法人については,1人法人は認められておらず,司法書士法が定める解散事由として「社員の欠乏」は列挙されていない(司法書士法第44条第1項,第2項参照)が,社員の同時死亡等によって社員が欠乏となった場合には,当然解散すると考えられている(小林昭彦・河合芳光「注釈司法書士法(第3版)」(ぎょうせい)376頁)。この場合の清算人の選任手続は,上記弁護士法人の場合と同様である。ただし,「継続」することはできない。