ロレックスもそうですが、初期のコレクター、いわゆる〝初心者〟であった時を回想しますと、〝なぜ、あのときコレではなくアレを買わなかったのか〟、〝コレと一緒に無理してでもアレも買っておけば良かった〟という後悔の念がよくあります。人もモノも一期一会というシーンが共通して人生にはあります。価格の変動による後悔ばかりでもなく、個体コンディションの独特の雰囲気の喪失感もあります。
私の場合はもちろん1019がまだ50万円で販売されていた1990年代に30万円も出して新品の16234を購入したり、28万円出して新品の14060を購入して悦に入っていました。ちなみに6265や6263は100万円前後、赤シードも赤サブももちろん50万円程度だったでしょうか。今考えると確かに値頃感からも後悔ですが、もちろん当時の私には汚い中古の1019よりも新品の16234の方が輝いて見えました。今なら余裕で20万円程度オンして1019が買えるのなら何本も買いますね。
切手でもそうです。昔はきれいな未使用の小型シートばかり買い、同じ価格で販売していた発売日の赤い消印がついた小型シートの方が高額で販売されていることは知らず、後日その価値を知り大変なショックを受けたことを覚えております。
つまり、コレクターとして走り始めた初期と、後年になりマニア、エンスー、ヲタになると真逆な行動をとることになるのです。コレクターとして成熟している証拠でもあります。