ステンレスの手巻デイトナに3,000,000円も掛けるのなら,新車ベンツの頭金にしたいし,金無垢の手巻デイトナに8,000,000円も掛けるのなら,自家用ヨットの頭金にしたいし,旧徳川将軍家伝来の重要刀剣だって買えてしまう。
放蕩なロレヲタの私でも,ポールやプラベゼデイトナが,こんなに〝馬鹿〟高い昨今の価格は,もはや,モノの購入対象には入りません。先程,1990年初頭の時計雑誌『ビギン』や『モノ・マガジン』,『世界の腕時計』のステン・スポロレの価格を眺めていますと,郷愁とともに,あらためて,少しは私のモノに対する正常な価値観に安堵いたしました。
さて,そうは言っても,今まさに,過去のスポロレ価格を知らない,これからのニュー・ロレックスブーマーたるデイトナ好き予備軍にどんなデイトナが推奨できるかが今回の課題であります。
先日,都内の主要ロレショップに行きますと,あらためて,Ref.16520の高騰に驚愕しました。Aシリアル(1999-2000年製)が2,000,000円異常なのです。
私もRef.16520の日本正規品Aシリアルを2本保管しておりますが,それよりも何より,私は8年前,革ベルト仕様のデイトナを両素材(Ref.16518と Ref.16519の18KYGタイプと18KWGタイプ。画像参照)とも,渡欧中のフランスで纏めて購入しました。タックス・リファウンド後に合計2,000,000円もしなかった,ということを考えると,やはり〝モノの価値とは何なのか〟と哲学的に考えてしまいます。つまり以上のような購入チャンスを数式にすると,Ref.16520=Ref.16518+Ref.16519,という信じがたい方程式が成り立ちます。
将来的にも言えることは,ロレヲタのみにその価値価格が大きく支えられたステンレスのデイトナが今後暴落することはあっても,金無垢のデイトナの暴落の確率は前者に比して極めて低いということです。これはワールドマーケットである金の不変的価値と昨今のプラチナ・金マーケットの上昇に大きく支えられているからです。
現在,デイトナでお買い得なのは,一つ前のディスコンとなった全無垢デイトナRef.16528でしょうけど,仕事や一般生活に着けることは通常困難でしょう。
そこで革ベルト仕様の金無垢デイトナとなるわけですが,ここに来て2年ほど前の価格よりも30%ほど店頭価格は上昇し,外装ケースのコンディションの良いものは,日増しに店頭から姿を消しています。消費税が上がれば,ロレックスはほとんど姿を消してしまいますが,その前に,バランスのよいアラビア数字ダイアルが装着可能な,これらRef.16518と Ref.16519は早々に店頭から消滅するでしょう。
とりあえず,現行ステンレスデイトナRef.116520も含めて異常に高いステン手巻デイトナを一本,購入を諦めて,〝Ref.16518と Ref.16519〟を1本ずつ購入するのも,将来的に見ても決して悪い買い物,とは言えない筈なのです。
※私のRef.16518と Ref.16519,については本ブログ〝HUNTING UHREN ROLEXes〟の記述をご参照ください。