Che Guevara(1928-1967),本名エルネスト・ゲバラ・デ・ラ・セルナ。アルゼンチン人。キューバ革命の英雄,チェ・ゲバラ(〝チェ〟は,あだ名)としてあまりにも有名な世界的な革命家。1954年来日し日本の首脳と会談。共産主義者,革命家,芸術家,キューバ民衆,それに彼の生涯や思想をよく知らない渋谷の若者にもよく知られた魅力ある男です。映画『The Motorcycle Diaries』(2005)にチェの青春伝が映像化されていますのでご鑑賞を。
それは兎も角,チェのロレックスについて日本の雑誌ではあれこれ言っていますのでチェ好きのロレヲタである,私からハッキリさせる必要があります。
彼のロレックスはチェの写真資料で見る限り,リューズガードありのGMT,つまり, 〝ステンレススティール製GMT-MASTER Ref.1675で,ベゼルは赤・青ディスクベゼル,ブレスは20mmのリベットオイスター〟。彼がサブマリーナも所有していたというのは,誤認でしょう。
このGMT-MASTERを彼の数枚の写真から判断して,チェは1963年~翌64年5月迄の間に所有したと思われます。
多数の海外視察かハバナでチェ自身が購入したか,アルゼンチンのチェ支持者から贈呈されたかはわかりませんが(チェは1964年3月から国際会議キューバ代表としてジュネーブに1ヶ月余滞在している),家族団欒と共に,また,同志とチェスに興じたり,ゲリラ活動時に,1964年以降のあらゆるシーンにこのRef.1675はチェとともにあります。南米ボリビアで現地政府軍との戦闘で戦死する迄のその三年間,このロレックスは日々精確に,忠実にチェとともに一体となって生活を共にした,と想像するに難くありません。
つまり,チェのGMT-MASTER Ref.1675はロレックス史上,究極の〝EVERY ROLEX TELLS A STORY〟になるのではないでしょうか。
またニコン党でもある私から補足いたしますと,写真好きでも有名なチェ・ゲバラは〝ニコンF〟も所有していた様でもあります。