私は現在,ステンレスのロレックスにはあまり関心がなく,ステンレスポールニューマンやステンレスの手巻デイトナの,新品PTデイデイト118206以上の販売価格をショップで見るたびに失笑していましたが,先日久しぶりにショップでまともに16520のプライスを見ました。凄く高価というよりも,手放すともう永遠に買う気が起こらないロレックス,になってしまった,と実感しました。
116520の買取価格もショップ店員さんの談話では三年前と比較して30%も上昇したとのことで,16520に至ってはコンディションによっては200万オーバーの販売価格とのことです。ひどいですね。
この16520のプレミア価格が上昇し続ける理由ははっきりしています。
第一に116520が本物とフェイクでそれらの区別が通常困難であり,両者の差別化として,本物の116520にそれほど価値を見出せないこと。
第二に日本ロレックスで修理可能な過去のデイトナが現在16520になってしまったこと。
第三に為替レートが基本的に円安傾向で,外国で買い負けていること。
であります。
第一と第二の理由によりロレックス初心者の需要高が大きく作用しマーケットからまず極上美品の16520から順次姿を消します。第三の理由により利益幅さえ確保できれば,それほど玉数を販売する必要はないが,とりあえずショップの面子として国内へ供給する必要から必然的に仕入値は高くなり,それにショップの営業利益も加重して販売価格を高値に付けざるを得なくなります。もちろんこれは16520に限ったことではなく,〝昨年新品で買えた価格で,今は中古価格〟…というロレックスが続出しています。
これからも16520の価格は異常上昇します。 〝黒・白〟ともに販売価格〝300万円時代〟の到来はそう遠い話ではありません。16520の価格上昇が手巻デイトナの急騰に牽引されているように,同時進行的に116520も同じ現象を辿るでしょう。