川口保 のブログ

1市民として市政を眺めつつ、社会のいろいろな出来事を取り上げています。

山口県光市のおっぱい宣言都市

2011-05-20 22:34:33 | 日記

(写真は光駅前)

会派の視察で山口県光市を訪れました。視察項目は「おっぱい宣言都市について」。光市では『おっぱいという胸のぬくもりの中で子どもをしっかり抱き、愛しみ、心豊かな健やかな子育てを通して、母と子と父そして人にやさしいまち光をつくっていこう』とする都市宣言がなされています。同市では平成20年度の完全母乳栄養率(生後3カ月間母乳だけで育てる)73.5%(全国平均38.0%)と高く、お母さんの母乳が出やすいような支援や、母乳が出ないお母さんもあるが、子どもを抱きしめ育てる大切さを認識してもらうなど、総合的な支援活動が行われています。

 

光市では「おっぱいまつり」も行われており、今年19回目を数えます。また「おっぱい相談電話」を開設してところ、全国から相談の電話があるそうです。子どもの医療費は現在6年生まで無料化となっており、中学生は入院費が無料となっているが、平成23年までには中学3年生まで全ての医療費の無料化を目指しています。

 

視察に行く前にインターネットで光市の事前知識を集めていたところ、「光市母子殺人事件」が出てきました。18歳の青年が社宅に押し入って23歳の母親と幼児を殺害するというショッキングな事件でした。裁判の過程でも死刑かどうかで争われています。この青年は子どものとき父親からひどい虐待を受けていました。殴る蹴るは日常で、逆さに吊るされ水風呂に漬けられたこともあったそうです。

秋葉原無差別殺人事件の被告も子どもの時に母親からひどい虐待を受けたそうです。九九が覚えられないと風呂に沈められたり、広告の上に食べ物を置いて食べさせられたそうです。これらの青年が母親の胸のぬくもりや父母の愛情の中で育ってきたら、このような事件を起こさずに済んだのではないかと思います。

ずーと以前に少年院の教官の話として聞いたことがありました。悪いことをして少年院に入ってくる子どもたちの内でも、母親の母乳で育った子どもたちは更生がなりやすいと。

 

お母さんの母乳が血液からできることを最近知りました。そして母乳はお母さんの精神的な状況により出たり、出にくかったりするそうです。また、いかに母乳で育てていても、子どもに母乳を飲ませながらお母さんがテレビゲームや携帯電話に夢中になっていたのでは何にもなりません。子どもを見つめたり語りかけたりすることが大事です。

光市の取り組みは最近希薄になってきた親子関係を豊かにして、強いては社会の結び付けをも豊かにする大事な取り組みではないかと思います。