(西井さんの葬儀があった西善寺)
むらおこし、地域おこしの先駆け的な存在であった松阪市柚原町の西井静男さんが、1月23日に草刈り作業中の事故により亡くなり、葬儀が同27日同町西善寺で行われました。私も西井さんとは親交があったので参列させていただきました。
西井さんのこれまでの功績や親交の広さから、同寺には多くの花輪が立ち並び、参列した大勢の人達が氏の功績を讃え、冥福を祈りました。
西井さんは、柚原町にあるお食事処「うきさとむら」の運営や、「ジャンボ七草粥祭り」や「うきさとむら夏祭り」そして宇気郷地域全体で行われる「ひなまつり」などの開催に尽力されていました。
私も「うきさとむら」には時々立ち寄り、食事をしたり買い物をしたりしますが、西井さんにお会いすると、いつも気さくに声をかけて下さいました。また七草粥祭りや夏祭り、そしてひな祭りには毎年参加させていただいています。
2年ほど前、柚原町の空き民家で宮崎あおいと向井理主演の映画「黄色いゾウ」の撮影が行われました。この撮影には「うきさとむら」が全面的に協力しました。うきさとむらの協力なくして映画の撮影は出来なかったのではないかと思います。この時俳優やスタッフ数十人分の昼食をうきさとむらが注文を受けたとき、500円の予算だったそうです。西井さんは儲けを度外視して撮影期間中1000円の弁当を作るように指示されたそうです。地域おこしに取り組んでこれらた西井さんの歓迎の心意気を感じた一面でした。
柚原地域、宇気郷地域は過疎のムラ、そして限界集落という地域に分類されます。以前にうきさとむらの祭りで挨拶をされた下村前市長が「限界集落とはお年寄りの多い地域を言うのではありません。お年寄りが多くなって元気をなくした地域を限界集落と言います。この宇気郷地区はたしかにお年寄りが多い地域ですが、元気な地域ですので、ここは限界集落とは言いません」と言われたのを憶えています。
まさに過疎のムラに元気を吹き込んだのが西井さんでした。そしてこの取り組みは、県や国、そして全国的にも高く評価されています。
これまで祭りなどは、多くのボランティアが携わって運営されていますが、主柱を失ったことで心配です。西井さんの意志を継いでいく意味でも、これからもこの地域が元気になる取り組みを続け、さらに発展していってほしいと思います。
西井静男さんの安らかなご冥福をお祈りいたします。