川口保 のブログ

1市民として市政を眺めつつ、社会のいろいろな出来事を取り上げています。

検証!松阪駅西再開発事業(最終)

2008-11-27 06:18:37 | 思うこと
 松阪駅西地区市街地再開発事業は事実上破たん状態になりました。これまでこの事業が歩んできた道を振り返って、私なりの検証をしています。

◆再開発=失敗
 全国で行われている再開発事業では、再開発=失敗とまで言われている。それほど成功例が少ないことを表している。今回のように途中で破たんということではなく、たとえ事業が成立しても、どれだけの効果が表れるかです。工事が終わり景色は見違えるように変わった、しかし市街地の活性化などの効果は現れず借金だけ残った。これでは何のための事業かわからない。

◆小松市の失敗例に学ぶ
 私たちが会派の行政視察で訪れた石川県小松市では、今から15年前から駅周辺の再開発事業が始まった。バブルがはじけたとはいえ、まだまだ国からいくらでもお金が出る時代、約500億円もの大金をかけて小松駅の高架事業、駅東・駅西の区画整理事業が行われた。そして駅に降り立った私たちがうらやむような広い駅前広場などスッキリした駅周辺になった。
 しかし事業が終わっても駅を利用する人が増えることはなく、駅の高架下の商業スペースに入る店が少なく、駅に隣接するアーケード商店街はシャッターの閉める店が多く、人影もまばらであった。結局事業費の半分の250億の負担が小松市の重くのしかかってきた。この負債のためなのか、平成の合併は行われず、市は新規の事業には全く手が付けられない状態であった。
 ほかの自治体の成功例、失敗例を研究して、失敗しないやり方を学ぶことも大事ではないでしょうか。

◆民間活力の導入はよいが
 私は韓国で仕事をしたことがあるが、韓国は民間資本を有効に使うPFI事業が盛んである。国家的事業の高速道路、鉄道、長大橋などの工事をPFI事業で実施されています。
 今回、松阪駅西再開発事業は民間主導で始まった。自治体の財政が苦しい時、民間資本を活用した事業は決して悪くはないが、この事業は手法が悪かった。民間が「絵」を書いたものに後から市が乗っていった感じである。民間主導でもよいが、都市計画事業である、始めから市が指導すべきであった。
 事業途中で事業パートナーに信頼がもてなくなり、確約書云々となれば、市側から見れば相手が悪かったと言わざるを得ない。

◆今後の再開発や市街地活性化事業の進め方
 これまでの経過とともにこの事業を検証してきたものをまとめます。

1)まず市民に説明し、市民の理解を求める
 今回は民主導といえども、国や市の補助金を使い、市の土地も使う都市計画事業であることから事業の骨格が決まった時点で、準備組合も市も市民に説明し、市民の理解を求めることからスタートすべきであった。それも市民意見交換会やまちづくりフォーラムなど市民の代表によるものもよいが、各地区に出向いて行って説明し、理解を求めるべきであった。

2)まちとしての景観への配慮
 駅前はよくその町の玄関口とも例えられ、市民にとって大切な場所です。景観に対する配慮が必要です。三交跡地利用のような、たとえ民間が民間の土地に民間の資本で事業を進める場合でも、駅前という公の場所では景観に対する配慮が必要であろう。

3)市の歴史や文化に対する配慮
 松阪市は歴史と文化あふれるまちです。新しいまちづくりには松阪市の歴史と文化に対する配慮が必要です。今度計画されている中心市街地活性化事業においても同じことです。
 長い時間をかけて積み上げられた松阪市の歴史と文化をいかに保全していくか、いかに生かしていくか大切です。

4)プロのアドバイスを受ける
 松阪市が主催した「まちづくりフォーラム」で講演された都市プランナーの簑原敬氏やパネラーの全国市町村再開発連絡協議会顧問の横島毅氏ら専門家からも今回の再開発事業には疑問を投げかけられた。これからの再開発事業にはいくつかの都市で再開発事業を手がけてきたこのようなプロにアドバイザーを頼むべきではなかろうか。
 
 中心市街地商店街の皆さんからはこの事業を早く進めてほしいとの熱い思いも聞かされました。自分たちの仲間からシャッターを閉める店が増えてきている状態で「わらをも掴む」思いでしょう。
 再開発や市街地活性化は市民のまちづくりに対する思いを大事にすべきです。市民の理想と事業が成立するかの現実の溝をみんなでいかに埋めていくかということが大切です。
 
 この駅西再開発事業の検証を私なりに進めてきましたが、この事業がこのような破たんへの道を歩んだことに対して、私も市政をチェックする立場にある議員の一人として、反省をしなければならないと思います。
 議会でも、市民の間でもあれだけ激しい議論がなされたこの事業、今終焉を迎えるにあたって、あのときの喧噪は何だったのであろうかと複雑な寂しさをおぼえます。(おわり)
  (写真は再開発が行われた小松駅前の様子です)
                         平成20年11月27日
                             松阪市議会議員 川口 保
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検証!松阪駅西再開発事業(4)

2008-11-22 22:46:55 | 思うこと
 松阪駅西地区市街地再開発事業は事実上破たん状態になりました。これまでこの事業が歩んできた道を振り返って、私なりの検証をしています。

◆住民投票案条例案の提出
 平成19年11月議会に私たち9議員が発議者となって「松阪駅西地区市街地再開発事業の賛否を問う住民投票条例案」を提出しました。普通、議会での質疑は議員から理事者側に向けて行われるのですが、12月11日の本会議では発議議員に対して他の議員から質疑がありました。この議員間で質疑では、この議案に反対する高橋議員と発議側の竹田議員との間で激しい議論の応酬ありました。論理的で大変見応えのある論戦でした。
 17日の本会議でこの条例の採決がありました。4議員が賛成討論、3議員が反対討論を行い、採決の結果賛成10対反対22で否決されました。

◆都市計画決定
 平成20年2月4日、松阪市都市計画審議会で継続審議となっていた駅西再開発事業の都市計画決定をするための議案が可決され、2月20日に都市計画決定が告示されました。
 都市計画事業のおける都市計画決定は、市民への説明責任、事業のレイアウト、資金計画、準備組合間での合意など全てが整った後に発せられるゴーサインのようなものです。下村市長がいう「後は粛々と事業を進めるだけ」のはずであった。

◆物価の高騰で事業の見直し
 世界的な原油高により建設資材が高騰しこの事業においても事業費が高騰し、7月14日の市建設水道委員会協議会で準備組合から出された見直し案が報告されました。これによると増額分の5億6千万円の大部分を市の福祉総合センターに上乗せをしてきたのでした。市の猛反発でこの配分は後に取り消したものの、準備組合への信頼は完全に失いました。市は準備組合に対して今後このようなことがないようにいくつかの条件を添え確約書を取り付けようとしましたが、それが出されないまま今日にいたっています。
 今回の事業の組合員は何十人、何百人とあるわけではありません、たった5団体です。それで確約書を取らなくてはならないようでは、この事業をこのまま進めることができるはずありません。

◆準備組合から議員への文書送付について
 昨日11月21日、準備組合から議員あてに収支計画案と確約書案が届きました。このようなものは、組合から直接議員に送りつけるものではありません。組合は市に対して説明し合意を得られた時点で、私たち議員は市から報告を受けるのです。私たち議員は市の行政をチェックする役割はありますが、組合の活動を直接チェックする役割も権限もないからです。(つづく)
                          平成20年11月22日
                             松阪市議会議員 川口 保

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検証!松阪駅西再開発事業(3)

2008-11-20 22:55:59 | 思うこと
 松阪駅西地区市街地再開発事業は事実上破たん状態になりました。これまでこの事業が歩んできた道を振り返って、私なりの検証をしています。

◆市民アンケート結果
平成19年6月に松阪駅西地区市街地再開発事業について市民アンケートを実施しました。この調査では松阪駅周辺のまちづくりや活性化の在り方について尋ねたもので、2809人から回答を得ました。これによると再開発の認知度は「よく知っている」14%、「少し知っている」41%、「名称は聞いたことがある」22%、「まったく知らない」21%となった。また知っている人にこの計画でよいかを尋ねたら「この計画でよい」はわずか4%でありまた。このアンケート結果で市民に対しての説明不足や市民から理解されていないことが浮き彫りになりました。

◆駅西再開発に関する一般質問
 平成19年6月議会の一般質問では駅西地区市街地再開発事業について質問しました。この中で入札の問題、ホテルの駐車場の問題など質問しました。おもな内容は次の通りです。

問 松阪市の建設工事の発注はすべて公正、公平、透明な一般競争入札で行われている。この事業の発注はなぜ談合が起きやすい指名競争入札でおこなわれるのか。
答 組合施行であり指名競争入札が規約にうたわれている。補助金を出す行政の立場から公正、公平な事業執行を指導していきたい。

 松阪市の一般競争入札制度は、談合が起きにくく、市の職員が特定の業者に便宜を計ることができない全国に誇れるすばらしい制度があります。一方、指名競争入札では業者を特定するため談合の温床となります。今回28億円の総合福祉センターの入札を一般競争入札ですると、今までの例から約4億円の入札差金が見込めることになります。4億円も安く発注することができるのです。

問 計画のホテルの客室が136室で駐車場が20台では少なく、市の福祉センターの駐車場をホテル客に使われるのではないか。
答 福祉総合センターの駐車場はホテルに貸さない。ホテルは周辺の民間の駐車場を借り上げることで、探している。

 計画されているホテルの駐車場は20台分ほどしかなく、これは駅周辺にあるいくつかのホテルの駐車場に比べるとはるかに少ない数です。私はこのままだと福祉センターの駐車場がホテル客に使われるのではないかと心配をしたのです。福祉センターの駐車場は7階建て約300台収容の計画ですが、1台分の駐車スペースは約300万円もかかるのです。

◆商店街からは早期着工の声
 駅西再開発とは別に松阪市が取り組んでいる中心市街地活性化基本計画に合わせて平成19年8月、松阪市議会にも中心市街地活性化対策調査特別委員会(委員長 竹田哲彦)が発足しました。私も10人のメンバーの中に入りました。
 この委員会で商店関係者の案内で市内7つの商店街の現状を視察しました。このあと商店街の役員さんと意見交換をしましたが、市街地の活性化のために駅西再開発事業の早期着工を望んでみえました。
 しかし私はこの事業では市街地の活性化への影響はほとんど皆無に近いのではないかと思いました。この計画では157戸のマンションができますが、すでに駅周辺に多くのマンションができています。これらのマンションが市街地の活性化に影響を与えていないからです。

◆都市計画事業は全体から個々の事業へ
 この事業の議論の過程でしばしば三交跡地との一体となった計画はできないのか、JRの駅舎と一体となった計画はできないのか、また中心市街地活性化事業と一体となった計画はできないかとの案も出されました。しかし駅西再開発の事業が先行し、補助金の関係からそれはできないとのことでした。
 都市計画事業は始めにまち全体のかたちを考え、そのあと個々の事業をの取り組んでいくのが本来の姿であると思いますが、今回「駅西」という「点」からスタートしたのも混乱を大きくしたのではないかと思います。(次回につづく)
                        平成20年11月20日
                            松阪市議会議員 川口 保

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検証!松阪駅西再開発事業(2)

2008-11-16 20:01:11 | 思うこと
◆反対討論
 平成19年2月議会において松阪駅西地区市街地再開発事業の関連予算は前代未聞の23時間のロングラン徹夜議会のあとの採決の結果、賛成19対反対13で可決された。
 議案の採決の前に有志議員により、自分はなぜ賛成するか、自分なぜ反対するかを述べる賛成討論、反対討論を行うが、私は次のように反対討論を行った。

 『本議案により市から補助金が出される松阪駅西地区市街地再開発事業は、民間業者の発想と計画を市がそっくりそのまま受け入れ、気前よく税金を投入するもので、一部の業者の利益のための事業に思えます。
 この事業に対する反対理由として、
1、松阪駅前という公共の場所を舞台とする計画でありながら、市民への十分な説明がなさていない。
2、1300億円もの借金を抱える松阪市が民主導の事業に多額の税金を投入すること。
3、駅前における24階建て、70余メートルマンションは、駅を利用する人や地元住民に圧迫感を与え、歴史と文化都市松阪の景観を台なしにするおそれがある。
4、福祉総合センターの駅前への立地も、自然環境にすぐれた場所への設置を希望する市民の願いに反するものであります。
 市街地の活性化は市民の願いです。今回のように一部の業者の利益のための発想では、とても市街地の活性化に役立つとは思えません。駅前再開発は、もっと市民がみんなで議論して考えるべきです。 私は、市政をチェックするという市議会議員の役割を果たすために、市民の方に顔を向け、市民の利益のために本議案に反対します。』
                  
 議会が終わったあと本議案に賛成された一人の先輩議員から「自分は賛成の立場だが、反対したくなるようないい討論だった」と言われた。また一人の新聞記者さんからも「論理的でいい討論だった」と言われた。

◆市民への説明責任
 19年の2月議会で駅西再開発事業は可決されたが、このとき反対議員に限らず、賛成議員からも、市議会に対する、また市民に対する行政からの説明責任が果たされていないとの指摘があった。
 このため市ではこのあとケーブルテレビを通じてこの事業の説明をしたり、パンフレットの全戸配布をした。また市民の代表を選任にして「まちづくりフォーラム」や「市民意見交換会」が開催された。

 兵庫県の川西市では再開発事業を進めるにあたって行政が、市内の自治会、PTA、婦人会、JCなどあらゆる団体を対象に説明をして廻ったと聞きいた。それに比べるとまだまだ説明がなされたとは言えない。本当の説明責任とは一方的に説明をするだけではなく、説明をして市民に理解してもらってはじめて説明責任を果たしたことになる。
 そしてなにより市民への充分な説明、市議会への充分な説明のあと議案を市議会に上程すべきではなかったか。

◆市民からのいろいろな提案
 この事業が前に向かって進んでいくことになってからも、市民からいろいろな提案も出された。市民が自由な発想で作成した駅西再開発のレイアウト、三交百貨店跡地と合わせて開発してはどうか、マンションを駅より遠い北側にもっていってはどうかなど市民から意見が示された。

 この中で殿町住民協議会(梅本治会長)が提示したイメージ図は、マンションを計画からはずし、市総合センター、ホテル、立体駐車場を中心とし、観光センター、レストラン、物販店などを配した見るからに「うきうき」するようなすばらしい計画であった。

 しかし、これらの意見はすべて現実的でないと却下された。本来、駅周辺のような公共の場の開発は、企業利益からスタートするのではなく、市民の自由な発想から始まり、それをいかにすれば現実化できるかと煮詰めていくことが一番大事ではなかったか。(次回につづく)
                         平成20年11月16日
                            松阪市議会議員 川口 保
 
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検証!松阪駅西再開発事業(1)

2008-11-14 21:37:57 | 思うこと
 松阪駅西地区市街地再開発事業は準備組合との折り合いがつかず、断念せざるを得ない状態となってきた。ここではこの事業がこれまで歩んできた道を振り返って検証をしていきたいと思います。

◆市保健医療福祉総合センター駅前への立地
 松阪駅西地区市街地再開発事業は当初、民間主導の事業としてスタートした。市の保健医療福祉総合センターをこの事業の中に組み入れるとなってから、寝耳に水に議会から反発が起こり、議論に火がついた。私たちはこのような保健施設は空気や環境のよい農村部や林間に立地すべきではないかと反対をした。しかし交通の便がよいとか検討委員会から答申があったとかで、駅西への立地が決まってしまった。他市のこのような施設を視察にいっても広い平野の中に立地されており、平屋建てか二階建てで駐車場も平面的であった。駅西にもってくると総合センターも駐車場も立体的になり、資金も多くかかることになる。

◆市議会議員有志主催の市民懇談会
 平成19年2月5日、松阪市議会議員の超党派の有志議員11名による「市民懇談会」が産業振興センターで開催された。この会にさきがけ、有志議員は数千枚の案内状を市街地を中心として配布して市民の参加を呼びかけ、当日約110名の市民が参加した。
 この会に私も参加したが、今まで議員が主催するこのような催しはなかったと聞いた。私たちはこの会で賛成派、反対派双方の市民の意見聞きたかったが、反対派の市民が場内を圧倒する形で会が進んでいった。そして本来、行政側に向けられる不満が懇談会を主催した議員たちに向けられ、私たちにとって何かしっくりしないものが残った。
 第2回の市民懇談会は3月17日に産業振興センターで開催され8名の議員と30人の市民が参加した。

◆講演会、研修会への参加
 行政側も当初「この事業は民間主導の事業だから市は口出しが出来ない」ということを繰り返してきた。しかしこの事業は国や県や市が補助金を出す都市計画事業であるので、市が口出しできないとか、市が口出しをしないというのはおかしいと、専門家からも指摘があった。市も都市計画事業をよくわからなかったのであろうか。
 実は私もこの問題が発生するまで、再開発事業や都市計画事業の知識はほとんどなかった。このためいろいろな講演会や研修会に進んで参加した。2月26日市福祉会館で行われた市議、市職員を対象とした全国市町村再開発連絡協議会顧問の横島毅氏の「市街地再開発事業について」と題する講演会。また殿町住民協議会主催の横島毅氏の講演会や共産党市議団主催の「松阪駅前再開発を考える市民集会」などに参加した。また専門書やインターネットなどで知識を広めた。

◆前代未聞の23時間ロングラン徹夜議会
 この開発の関連予算2億3400万円が平成19年3月議会で補正上程された。3月23日午前10時、この日の議会が始まった。来年度予算などの審議が終わったのが午後7時半。そのあとこの駅西再開発の是非を問う審議が始まった。時間がどんどん過ぎていっても終わる気配はなかった。ベテラン議員の話では議会が夜中の12時を越えたことは今まで一度もなかったそうだが、12時を過ぎても、いつ終わるとも知れない質疑が延々と続いた。やがて夜が明けて議員も理事者側も疲労がピークに達した24日午前9時、前代未聞の23時間の徹夜議会は終わった。結局この日、この議案には私を含め11人の議員から質問が理事者にぶっつけられた。

◆賛成19×反対13で可決
 3月29日の本会議で松阪駅西地区市街地再開発事業の関連予算の議決が行われた。討論では3人の議員が賛成討論を、私を含めて4人が反対討論を行い、採決の結果、賛成19対反対13で可決した。ベテラン議員の話では、これまで賛否がこれほどきっ抗した議案はなかったということであった。
 しかしこの事業はこれで一件落着とはいかず、このあと益々数奇な運命を歩んでいくことになる。(次回につづく)
                    平成20年11月14日  
                        松阪市議会議員  川口 保
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迷走!定額給付金

2008-11-12 22:09:13 | 思うこと
 政府が追加経済対策に盛り込んだ総額2兆円の定額給付金の配布方法をめぐって政府・与党が迷走した。民主主義の世の中だからいろいろな意見があってもいいが、少なくとも国民の前に出す前に政府・与党内で意志統一を計るべきだったであろう。案が出されてからいろいろな意見がでて、方針がコロコロ変わっていくのは国民から見てみっとむない気がする。
 そして今日12日に最後まで決まらなかった所得制限の設定をどうするかは、配布する自治体が決めるという方針を打ち出した。こんなことすら自分達で決められないほど今の政府は無能なのか、自治体からは当然のように困惑や反発がでている。

 この給付金で各自治体は混乱するだろう。国民全員が1万2000円と同額であっても、支給されない人や二重に支給される人が出るだろう。しかも今回18才未満及び65才以上はプラス8000円、まして所得制限の設定をどうするかの判断は自治体がするなんて、どこの自治体でも混乱が予想される。
 この給付金の支給にかかる事務的な費用は国が出すとしても、配布には自治体で配布チームを結成しなければならないといわれる。どこの自治体でも人員削減で人が減っているところにこんな事に労力を使わなくてはならないなんてバカげている。

 この給付金と同じようなものが以前にもあった。1999年に景気対策として配布された「地域振興券」である。あのとき景気に影響を与えるだけの効果があったのかどうか、その検証がなされたという話しは聞かなかった。
 今回の給付金は景気対策か社会政策なのかがはっきりしないという。これは選挙対策だともいわれている。しかし共同通信が実施した給付金に対する電話調査では「評価しない」が58.1%と「評価する」31.4%を大きく上回っており、選挙対策としての効果もなさそうである。
 総額二兆円のお金を国民に配布しても、新たな消費を掘り起こすことなく、ほとんどが日常生活の中に埋もれていくだろう。この2兆円を直接国が景気対策に使った方がよかったのではないか。この政策で麻生政権の支持率がまた一気に下がるだろう。
                        松阪市議会議員  川口保
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小室哲哉の逮捕によせて

2008-11-06 07:01:13 | 思うこと
 音楽プロジューサーの小室哲哉が詐欺容疑で逮捕された。私たちの世代では小室メロディーはなじみは薄いが、会社に勤務していた時、会社の仲間たちとカラオケに行くと、女の子たちが盛んに小室メロディーを歌っていたのを思い出す。その頃はまさに彼の絶頂期ではなかったかと思う。

 小室哲哉はその時代にあった歌を世に送り出し、多くの若者の心をとらえたのだろう。ただその時、私たちの世代ではなかなか彼の歌はなじめなかった。歌謡曲の世界に私たちの世代を相受け入れない時代を作ってしまったという印象をもった。 
 私たちがカラオケなどで何十年も昔の歌を今、懐かしく思いながら歌うように、今の若者が年をとったとき小室メロディーを懐かしく思いながら歌うのであろうかと、疑問に思ったことがあった。

 彼は所得番付の上位にランクされたこともあり、最盛期には百億からの貯金があったといわれている。お金は儲けるのも難しいが、使うのはもっと難しいのかも知れない。長い下積み生活で苦労してきた演歌歌手などは、スターになって収入が高額になっても、彼のようなお金の使い方はしないだろう。

いろはにほへと ちりぬるをわか よたれそつねな らむうゐのおく
やまけふこえて あさきゆめみし えひもせす

 ご存じの「いろは歌」である。47のかなを全て使い、もちろん同じものを2回使わず、ひとつの文章がつくられている。実際にやってみるとわかるが、大変難しい作業である。しかもこのいろは歌にはこの限られた条件でつくられた歌でありながら、仏教の教えが込められている。

人の世は無常である どれだけ栄華を極めても 秋になり葉は落ちるように その繁栄には限りがある
私たちはどれだけ栄華を極めても 足を地につけてしっかり生きていかなくてはならない 決して驕るべからず

 こんなような意味だったと思う。小室哲哉の逮捕を聞いてまさに栄枯盛衰、この歌を思い出した。彼が最近、金策に走り回っていたことがテレビなどで報じられている。栄華を極めただけに彼の哀れさがよけいに目立つ。今、彼は逮捕されてほっとしているのではないだろうか。もう一度ゼロからスタートするにはいい機会である。
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夢まぼろしか小泉旋風

2008-10-29 07:51:46 | 思うこと
 衆議院選挙を間近に控えて小泉元首相が引退した。3年前の衆議院選挙はまさしく彼のための選挙であった。誰もが思ってもいなかった無謀とも思える突然の解散。そして選挙戦に突入した。街宣カーの上でライオンヘアーをなびかせ、指を1本つき出して演説する姿は、今も私の記憶の中に鮮明に残っている。私たち国民は彼の一挙一動に熱狂し、彼に最大の賛辞を送った。彼はまさしく時代のヒーローであった。

 彼は総理大臣在任期間中高い支持率を維持した。発足当時にいたっては80%に迫る高支持率で歴代政権では最高となった。途中、田中眞紀子外相の更迭問題などで急降下したこともあったが、政権を終える時でさえ、45%近い支持率を維持した。発足したばかりの麻生政権が40%台であえいでいるのとはえらい違いである。
 彼は5年5ヶ月の間政権に就いていた。諸外国の国家元首の在任期間に比べると決して長くはないが、日本では佐藤栄作、吉田茂に次ぐ3番目の長さである。

 この小泉さんの郵政選挙からわずか3年、彼の政権が終わってからわずか2年しかたっていないが世の中は大きく変わった。彼の改革がいくつかのひずみを生み出し、郵政民営化も不都合が生じてきた。あの選挙で国民の仇役だった郵政造反組の議員たちは今、党や政権の中枢に戻ってきた。そしてあの選挙で一躍注目を集めた小泉チルドレンの面々は次の選挙で苦況に立たされることが予想される。

 彼が発した「自民党をぶっ壊します」という言葉は日本の政治史に残る名言であろう。彼は自民党の古い体質をぶっ壊すという意味で言ったのであろう。その結果彼が言うように自民党のかっての派閥力学は崩れていった。しかし今、自民党政権そのものがぶっ壊れそうで、政権を明け渡たすかも知れない瀬戸際にきている。

 郵政選挙で歴史的な大勝利を果たした小泉さんが、3年後の次の選挙には引退に追い込まれた。国民が熱狂したあの小泉政権は何だったのだろうか、あの爆発的な人気は何だったのだろうか、今、宴のあとのような虚無感と世の移り変わりの速さを感じる。
 彼は引退と引き替えに自分の次男新次郎氏を後継者に指名した。もしこのことがなかったら私たちはまだ、やめていく小泉さんを惜しみ、小泉政権の余韻にひたることができたかも知れない。しかし今となってはあの小泉旋風は遠い昔の夢まぼろしのように思えてならない。

                平成20年10月28日
                   松阪市議会議員 川口 保
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地方議員は野党たれ

2008-10-24 17:36:13 | 思うこと
 私たち市議会議員は市民の血税から給料を頂いています。いわば市民に雇われて市議会に臨んでいるわけです。市議会議員の仕事はいろいろありますが、その最大の役割は市の行政をチェックすることにあります。市の行政が正しく行われているかどうか、市の行政が公平に行われているかどうか、市の税金が正しく使われているかどうかをチェックすることにあります。

 市が行う施策の内、予算が伴うものは全て議会で審議されます。議会に提出される議案は行政の方でも充分検討されますが、最終的にその議案が市のためのものか、市民のためのものか判断するのは議会です。私たち議員の責任は重大です。市民にとっていわば議会は最後の砦であるからです。

 23日、県教育委員会は任期満了による教育委員長選挙を行い、四日市大学地域政策研究所長の竹下護氏を選任しました。私はこの竹下護先生から8月4日から3日間の日程で行われた四日市大学の公開授業「地方議会論」で講義を受けました。
 この授業には三重県や愛知県の市議会議員や県議会議員、市の職員、一般市民など40~50人が毎日参加していました。私は昨年同様大平議員と一緒に3日間通いました。また松阪市からは他に海住議員も参加されていました。

 授業の中で竹下先生からはマニフェストの作り方や地方議会のあり方、議員の役割などの講義を受けました。この授業で竹下先生から「県議会議員や市議会議員などの地方議員は全て野党でなければならない」という話しを聞き、我が意を得たりという気持でした。言い方を変えれば市民にとって与党であれということになります。

 議会で賛成するも反対するも市民に顔を向けて判断すべきで、そのチェック機関の最高責任者が議長ということになります。地方議会の会派の中にも「あの会派は与党だ」とか「あの会派は野党だ」という話しを聞きます。
 私は「地方議員は野党たれ」を議員活動の基本理念としていきたい。
  (写真は四日市大学公開授業の様子)
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政治家の失言

2008-10-01 09:08:50 | 思うこと
 中山国土交通大臣が失言により辞任した。発足したばかりの麻生政権にとって大きな痛手である。政治家の失言は今に始まったわけではないが、最近だけでも太田元農相の失言や、麻生首相自身も自民党総裁選の街頭演説で「岡崎の豪雨は1時間に140ミリだった。安城や岡崎だったからいいけど、名古屋で同じことが起きたらこの辺、全部洪水よ 」と発言し、被害をうけた岡崎や安城市民から猛抗議を受けた。
 政治家、特に政権や党の中枢にいる政治家の失言は国民生活に混乱をもたらし、時として国会を空転させ、政権や党の屋台骨を揺るがすことにもなる。

 失言には「うっかり失言」が多いが、中山前大臣の失言は、その後の影響や、自分が辞任に追い込まれることまでを見越しての「確信犯」的といわれ、なおさら始末が悪い。衆議院選挙が間近に迫っており、自民党の候補者の中には当落線上にいる人も多いはずである。政権の支持率やその時の「風」で当選になったり、落選になったりすることにもなる。

 候補者が自分自身の失言で落選になるのならあきらめもつくが、このような大臣などの失言で本来当選すべき候補者が落選の憂き目をみることになれば、泣いても泣ききれない。
 このように自分の党に与える影響も考えられない政治家に、国民の生活のことまで考えるのは無理かも知れない。
 
 歴代総理の中でも、森元首相は首相在任期間中失言を連発した。先日、議員辞職を発表した小泉元首相は「自民党をぶっ壊します」などの歯切れのいい発言で国民からの人気が高かったが、彼は5年の在任期間に失言らしい失言はほとんどなかった。麻生さんもズバズバとした歯切れのいい発言で国民の人気が高いが、言っていいこと悪いことの区別はつけてほしい。日本国の代表という立場であることを自覚して。
 
 失言はなぜ起きるのだろうか。自分の側からしか物事が見えず、周囲への配慮がたりないからだろうか。世襲議員が多くなってきて市民感覚がないことや、苦労が足りないからだろうか。ようするに政治家としての資質の問題であろう。
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中国と知的財産権

2008-09-25 00:02:02 | 思うこと
 今年の10月、松阪市と中国無錫市濱湖区と友好都市提携の締結が行われます。
 私は昨年秋、日中友好議員連盟の七市11名の訪中議員団の一員として訪中し、北京オリンピックや上海万博を控え経済的に発展する中国の姿を見てきました。
 中国は政治は社会主義、経済は市場主義という変則的な国の形が、中国の経済を押し上げ、いたるところで高層ビルの建設が行われていました。

 このとき中国の町を歩いていて気になったのは日本や他国の商標に類似した看板が多く目に付いたことです。商標はその企業や団体が長い間の努力の積み重ねの結果得られる、商品やサービスに対する消費者の信頼であり、会社や団体としての誇りでもあります。中国では以前国営の遊園地で外国の人気キャラクターのぬいぐるみを無断で使っていた問題もありました。松阪市も「松阪肉」「松坂肉」の商標の問題を抱えています。

 マイクロソフト社のビル・ゲイツ氏が中国政府に対して、「知的財産権を粗末に扱うと、最後に被害を被るのは中国国家でありますよ」と警告したことがあったそうです。中国は市場経済の歴史が浅いため、国も国民も知的財産権に対する認識が低いのかも知れません。

 中国が北京オリンピックやパラリンピックという大イベントを終えた今、今度は中身の充実を計り、国際的に信頼される国家になってほしいと思います。
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海上アクセスの救済

2008-08-18 22:23:19 | 思うこと
8月18日から始まった臨時議会で松阪と中部国際空港を結ぶ海上アクセスの燃料費の補填の問題が議論されました。
海上アクセス松阪ルートは開業以来乗客数が採算ラインに達していないこともあり、赤字経営が続いています。それに世界的な燃料の高騰が追い打ちをかけ、船会社の松阪高速船(株)とその親会社の江崎汽船(株)ともども経営が苦しい状態です。しかも今年の6月に運賃を値上げしたばかりで、これ以上の値上げは難しい状態です。

このまま放置すれば経営破たんも心配されます。そこで市としては何とか救済措置を取ろうと考えたのです。しかしこの航路開設時に県との申し合わせで「市から赤字補填はしない」という取り決めがありました。
今議会で市は船会社への補助金の代わりに、乗客の運賃への補助金というかたちの「燃料サーチャージ」案として5000万円の補正予算を上程しました。

燃料サーチャージは「燃油サーチャージ」とも呼ばれ、原油の高騰に伴って、航空会社の企業努力で吸収しきれない燃料価格の一部を、乗客に負担を求める追加運賃のことです。本来、燃料経費は航空運賃に含まれるものであるが、乗客に分かりやすく提示するために、通常の航空運賃とは別に徴収されるものです。
燃料サーチャージは一般的には飛行機に用いられるもので、船に用いられる事は少なく、しかも自治体がそれを負担することは全国的にも見あたらない特殊な方法です。

これに対して議員からは、「実質的な補助ではないのか」、「違法性はないのか」、「燃料サーチャージは本来乗客が負担すべきものではないのか」、「乗客数の見込み違いの原因は」、「今後の見通しは」など激しい議論がなされ、新聞社やテレビ局などの多くのカメラが見守る中で採決が行われ、賛成多数で可決されました。

燃料サーチャージ案は市の苦肉の策といえます。この海上アクセスは開業してまだ2年足らずしか経過しておらず、ここで破たんを迎えるには早すぎる気がします。現在の市の財政事情を考えると、5000万円の支出は大きく、また先行きはまだ不透明でありますが、私はもう少し可能性を見極めたいと思い、苦しい判断をせまられた議案でしたが、本議案に賛成しました。
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すばらしきサークル

2008-05-11 23:20:24 | 思うこと
 松阪市内に20代後半の女性を中心とした国際交流インディアンエレファントというすばらしいグループがある。10日にこのグループの報告会が産振センターであった。

 彼女たちは「世界の扉を開けよう」「世界を知ろう」を合い言葉に、どこの家でも引き出しの中に眠っているボールペンや鉛筆などの筆記具を集めて、発展途上国の子ども達に、届ける活動をしている。彼女たちが偉いのは、自らカバンいっぱいの筆記具を両手にもって、自費でもって渡航し、直接現地の子ども達に届けることである。向こうで泊まるホテルは日本円で300円程度の安ホテルだそうだ。

 このグループはまた松阪市内の外国の人たちとの交流の場を作っている。昨年8月に森林公園で国際流野外パーティーも行われ、私もスタッフの一員として参加をさせてもらった。会のリーダーも20代の女性である。若い女性のリーダーがどうしてこれだけ多くの人たちを動かせるのか不思議でもあった。
 次回の野外パーティーも8月24日に計画されている。
      (写真は昨年の国際流野外パーティー)
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灌漑池の出合

2008-04-21 04:13:11 | 思うこと
 我が西野町向林(むかいばやし)地区には2つの池があり、20日用水路関係の出合がありました。水路の水漏れヶ所の修理や、溜まった土砂やゴミを取り除く作業です。
 我が地区の農家戸数は現在10戸足らず、時代により多少は変化があると思いますが、今も昔のそう変わりません。この池のできたのが、今から100年以上も前の事であります。これだけ少ない戸数でどのようにして昔の人は2つもの池を造ったのか、不思議です。
 我が地区の水田には川からも水を引けるようにはなっていますが、上流でせき止められると、こちらまでまわってきません。せっぱつまって池を造ったのであろう。機械も何もない時代、堤防のたいそうな土を肩で担って運んだのであろうが、いったいどこから運んだのであろうか。
 2つの池のおかげで我が地区はどんなに水不足のときでも、田の水に困ったことはありません。昔の人たちの苦労を偲び、昔の人に感謝しつつの池の出合でありました。
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