フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

2017-05-04 22:53:59 | Weblog
残念ながら、最近は忘れっぽくなっているのが現実です。人の名前が一番ですかね。脳の関係から言えば自分で思い出さないといけないそうです。サラリーマン時代は毎日の服装も同じにならないように記憶に留めていかなくてはなりませんでしたが、今は昨日の服装と平気という場合が結構あります。これでは粋な晩年と評価されませんね。
ところでこの「粋」という概念は江戸時代に発達したと言われています。そしてその観念は「目立たない」ことを重視しました。自分が何を着ていたか何を持っていたかを別れたあとで相手に思い出させるようではダメだとされました。何故ならその場そのときに応じたものは他人に目立たない、それがオシャレの真髄だと言うのです。バランス感覚を大切にするということでしょう。それと「分に応じた」という価値観が江戸時代の粋になるわけです。
つまり私が昨日の衣装が思い出せないことがあるのは、粋の真髄を体得したからでしょうね(笑)。