フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

成人式

2016-01-11 23:10:58 | Weblog
この成人の日は古代中国の「冠礼」すなわち数え二十歳なると冠をつける儀式に起源を持つと思われます。テレビの画面には式を終えた新成人の抱負などが映し出されています。私の子供達はすでに成人を遥かに過ぎてしまいましたが、もし該当する成人がいたとしたらこう話し掛けたいですね。
それは「自分が得意なことに自信を持て」です。これは決して自分が優れているということではなくて、自分の中に自信のあるものがあれば、周囲の人のいいところを認めることが出来る心のゆとり出来るからです。我々の性分でしょうか。悲しいことは比較的一緒に悲しむことが出来ます。しかし自分にない喜びが相手にあった時に心から喜んであげることが難しいだけに自信のあるものさえあれば余裕が生まれます。
今の社会ではどうしても自分を前面にだしがちです。それだけに自分よりも相手のことをまず思いやる姿勢を持って欲しいと新成人に伝えたいですね。付け加えればそれが自分の個性を光らせることにもつながるのです。

単身者

2016-01-10 19:44:21 | Weblog
先週の日曜日は故郷のお正月、今週はまた単身の生活という方も多いでしょう。国勢調査によると単身世帯は増え続けているそうです。今では全体の三割を占めるとまで言われています。晩婚や非婚の独身者に加えて伴侶に先立たれたお年寄りも数多くいらっしゃるでしょう。
そうした人達の為に、デパ地下の食品売り場では、お一人様用のパックも当たり前のように置かれています。江戸時代の屋台などもそのお一人様用のファストフードだと言えるかもしれません。サラリーマンの世界では単身赴任が付き物です。久々正月休みを家族揃って過ごした後の単身日曜日ともなると余計寂しさが募るでしょう。サザエさんを見たらさらにその気持ちが強くなりますね(笑)。
ところで昔は「家族のように和気あいあい」という表現がよく使われました。その家族という小さな単位の中で何か変化が起きているのでしょうか。報道されるニュースの中で家族を手にかける殺人が大変多くあります。単身者の寂しさを忘れたのでしょうか。

新年の挨拶

2016-01-09 22:02:50 | Weblog
さて新年も9日、この時期の挨拶はどうなんでしょうね。三が日は「明けましておめでとうございます 。」です。それ以降は「新年おめでとうございます 。」が良いでしょう。ただし、その後の一言が大切です。目上の方ならば「本年もご指導下さいますようお願いいたします」同僚や目下には「今年もよろしくお願いします。」とそれぞれ付け加えるといいでしょう。旧年中にお世話になった人にはその事を付け加えたいですね。
その新年の挨拶はいつまでして良いでしょうか。まあ、20日頃まででしょうか。月半ばを過ぎたら単におめでとうございます ではなくて、新年という言葉を忘れないようにしたいです。営業関係のような人に接することの多い仕事の人は特に挨拶のマナーをしっかり身に付けておくのが大切です。
もう一つ、気を付けておいたほうがよいのは、喪中の連絡をいただいた人を記憶にちゃんととどめておかないと、最初に会った時に、つい「おめでとう」と言ってしまいそうです。そんな人には「昨年はお世話になりました」が良いですね。

温泉

2016-01-08 22:47:59 | Weblog
予報によれば、今日から冬らしい気温になってきそうです。マフラーやコートが必要とする寒い日はほとんどありませんでした。各温泉地も暖冬に苦しめられているのではないでしょうか。かつて出掛けた温泉のたたずまいが思い出されます。中でも長湯治で有名な酸ヶ湯はひなびた風情で忘れることが出来ません。もう一度是非行ってみたい温泉です。
温泉の魅力は「頭寒足熱」の言葉があるように顔の辺りが冷えて身体がポカポカする露天風呂が特に最高ですね。周りの景色も魅力に数えられます。山や川が周りにあるという条件も良い温泉地と言えるかもしれません。
最近は町中にスーパー温泉が多く誕生しています。泉質はともかく、風情となるとやはり温泉地に出掛けて行きたいです。海外にも温泉湯治場があります。行ったことはありませんが、チェコのカールスバット、ドイツのバーデンバーデン、チューリッヒ近くにもひなびた温泉場があるそうです。首都の真ん中にあるのがハンガリーのブタベストで町中にぼこぼこ温泉が湧いているそうです。とはいっても風情はどうなんでしょうね。

風の子

2016-01-07 20:39:16 | Weblog
七草粥の日ですね。新年に若菜を食べる中国の習慣が日本の宮中の行事と結びついて出来たものと言われます。江戸時代から庶民にも広がったそうです。四季折々の一つの行事です。こうした行事は季節の気候にも大きく関係しています。昔よく聞かれたこんな歌覚えていますか?『大寒小寒、山から小僧が泣いて来た。なんといって泣いて来た。寒いといって泣いて来た』自然と口ずさみたくなるほど寒い日が多かった気がします。暖冬です。まあ、暖冬でもコマ回しや鬼ごっこなど外で遊ぶ子供達の姿は少ないですよね。四季折々の感覚が薄れていくばかりです。
四季加減という言葉があります。加減という言葉自体は余り良いことで使われませんね。「いい加減」とか「加減が悪い」などです。しかしこの四季加減は、四季、季節の変化によく調和する生活のことです。ですからこの時期は町中に「風の子」が沢山いました。今はほっぺを真っ赤にして寒い冬を遊ぶ「風の子」はかくれんぼをしているようです。

自意識

2016-01-06 23:12:38 | Weblog
正月早々、また、北朝鮮の核実験のニュースが飛び込んで来ました。昨年は中東のニュースが大半でした。むしろ北朝鮮の陰は薄い年だったかもしれません。北朝鮮が特に相手にして欲しいアメリカの耳目はほとんど中東に向いているのが苛立たしい思いをしていたかもしれません。核を持つことは、アメリカを意識したことには間違いありません。何とか対等な立場で話し合いのテーブルについて欲しいわけです。そこで瀬戸際外交を持って話し合いを急かしたのかもしれません。
先日のニュースでも金正男第一書記の側近が数多く粛清されたことが伝えられています。それだけ他人の意見に耳をかさない若い指導者の姿が浮かんで来ます。よく言われる「裸の王様」的になっているのではないでしょうか。北朝鮮はこのところ中国に接近をはかっていただけに、6カ国協議の議長国の中国はどんな対応とるのか注目されます。後の北朝鮮の発表では初めての「水素爆弾」ということですが、核保有国の大国という自意識をさらに強めているのでしょう。

たつくり

2016-01-05 23:12:03 | Weblog
お正月五日目にもなるとそろそろおせち料理にも飽きる頃かもしれません。しかし、私はたつくりだけは一年中食べていても飽きませんね。たつくりというのは、カタクチイワシの稚魚です。イワシは癌や血栓の防止にいいDHA(ドコサヘキサエン酸)EPA(エイコサペンタスン酸)の含有率が断トツで高い魚です。何でも赤穂浪士達もイワシを食べていたそうです。魚偏に弱いと書いてイワシですが、健康にはとても強い魚です。平均寿命が世界的に高い日本になったのは、海に囲まれた日本で海の幸が豊富なところが一因です。
イワシにはこんなエピソードがあります。「鰯煮た鍋の仲」この言葉を知っていますか?これは、恋人同士のことを言います。何故ならイワシを煮た鍋はにおいがとれないことから転じて、恋人同士のことを言うようになったそうです。魚料理の素晴らしさを詰め込んだおせち料理は最高の日本の知恵と言えます。飽きたなんて言わないでせめて松ノ内ぐらいは十分におせち料理を味わって下さい。

御用始め

2016-01-04 23:16:22 | Weblog
全国に430万社あると言われる会社のどれくらいが今日、仕事はじめでしょうか。例年より早いよなというボヤキが聞こえそうです(笑)。
当然この仕事はじめには、新年の挨拶を交わす互礼会も入っています。それぞれの幹部は他社との賀詞交換会に出掛けて行くわけです。私はこれも日本人の良さだと思いますね。共同体意識を持つことによって、それが思いやりや優しさを生んでいたからです。
ところで新年の挨拶と言えば江戸時代にも登城して将軍に挨拶をする儀式がありました。家の格によって時間が違うのですが、登城の仕方に工夫があります。今の総理大臣のような立場の老中の行列はすべて急ぎ足だったそうです。時間に余裕があってもです。事があった時だけ急ぎ足になると江戸市民がパニックになるからです。どんな時も江戸の人達に悟られないように平常から急ぎ足にしているのは、当時の政治の知恵なんですね。
余談になりましたが、今日を境に今年も平常に戻っていきます。改めて、お互いに良き年にしたいですね。

書き初め

2016-01-03 18:41:27 | Weblog
昨年の漢字「安」を清水寺の貫主が書き上げたのは記憶に新しいところですが、昨日は各地の菅原道真ゆかりの神社では参拝者の書き初めが行われました。誰の文字を見ても希望に満ちた文字を書いています。わざわざ気にかかる不安を書く人はいません。この気持ちがポジティブな究極の心の表れです。
我々は私の経験上、他人と自分の境遇を相対的に較べて不幸と思い込むケースがままあります。その時に比較に用いる物差しは肩書などただ一つの価値の物差しであることが多いのです。書き初めで書き上げた文字が物凄く多いのと同様に、この社会は数多くの価値観によって成り立っています。それだけに一つを比較するだけでネガティブ思考に陥ってしまうのは全く無駄な行為なのです。もともとこの世の中に絶対的な幸せがあるのでしょうか。また、逆に絶対的な不幸も存在しない筈です。
書き初めにしたためた目標を達成する幸せは無尽蔵にあるわけです。書き初めの目標を確実に達成できたら最高の一年になりますね。

十八才選挙権

2016-01-02 23:07:21 | Weblog
お正月の二日目、今日この日に成人式をするところもあるようです。成人式といえば、主催者の挨拶や来賓の挨拶では、成人になり選挙権を得たわけであるから、必ず選挙の際には投票に出掛けましょうと呼び掛けます。
すでに18才で成人を祝う習慣がある国があります。その国はイギリスです。イギリスでは18才の誕生日に鍵の形にデザインしたカードを両親から贈られます。成人になれば門限なし、何時に帰って来ても良い、どこで何をしても構わない。今日から自分の人生を自分の責任で生きなさい。という意味が書かれたカードです。
責任といえば投票するのも大人としての責任ですね。若者の政治離れが叫ばれて久しかったわけですが、昨年は安保法関連のデモが盛んだったせいか若者達が政治的関心が高まったかに見えます。しかしこれからが実践の場です。ことある毎に、政治のニュースに触れ、付和雷同するのではなく自分の考えを積み立てていかねばなりません。今年はそんな節目の年です。