フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

何処へ

2008-10-02 20:23:13 | Weblog
その昔『人間の証明』という映画がありました。西条八十の詩の一節、「母さん、僕の帽子は何処に行ったのでしょう」がCMで流れ、強い印象を残した作品です。
私は「そうだ、あのコインは何処に行ったんだろう」なのです。
日本の記念貨幣の最初のコイン、1000円銀貨が昭和39年の今日、東京オリンピックを記念して発行されたのです。当時の所帯数にあわせたのか、一家に一枚という計算で1500万枚発行され、私も買い求めた記憶があります。
後に万博、札幌冬季オリンピック、沖縄海洋博、昭和天皇御在位50年の100円銀貨、昭和57年からは500円の記念硬貨が発行されました。更に昭和61年には昭和天皇御在位60年記念として拾万円金貨まで発行され、さいしょの1000円銀貨がコインブームに火をつけたのです。
私もその度に手に入れていた様な気がするのですが、さすがに拾万円金貨まで買わなかったと思います、いや手が出なかったんでしょう。
何かで読んだ記憶がありますが「人間の強い習慣や嗜好を変えるものはいっそうの強い欲望のみである」という言葉からしても、お金以上の強い欲望が自分にあったとは思えないのに(笑)、コインの行方を忘れるとは・・・。
「お母さん、あの1000円銀貨は何処に行ったのでしょう」
そうだ、まだ独身の頃だった!あっ、お母さんは天国です。