フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

縁起のいい言葉

2008-10-01 17:16:52 | Weblog
「♪♪小さい秋みつけた~」と唄いたくなる様な季節、10月を迎えました。しかし最近は地球温暖化のせいでしょうか、夏が長くつづき、すぐに冬になる感じがしませんか?秋が無くなってしまった感じです。
そういえば古い商家に『春夏冬弐升五合』という看板がかかっていたのを覚えています。秋が無いんです。こちらはこう訳すのです。秋が無いので、秋無い=商い。弐升は升が2つで、ますます。そして五合は1升の半分で半升=繁盛。つまり『商いますます繁盛』となります。この後に大阪城と付ける人もいます。『春夏冬弐升五合、大阪城』ですが、これは大繁盛という意味です。
昔の人は言葉を上手に使いました。初えびすの熊手は商売繁盛の幸運を取り込む、カキ込むという意味になります。言葉をさかさに使う事もありました。パリッとした服装のパリッは立派のさかさ言葉です。ショバ代(場所)ドヤ街(宿)ダフ屋(ふだ)ネタ本(種)等があります。ゲンをかつぐのゲンも縁起のさかさ言葉と言われます。えんぎ→ぎえん→げん、となります。
露骨に表現すると嫌味になるのではという知恵が働いたのでしょう。こうした日本人の懐の深さは大切にしなければなりません。
しかし最近は以心伝心という心の伝わり方はどこかに消えていってしまいましたねぇ。すこし残念ですが・・・。