フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

朝鮮ニンジン

2010-08-17 23:04:34 | Weblog
先日の新聞の小さなニュースにユニークな記事がありました。それはチェコと北朝鮮の間の負債返済の話で、北朝鮮はチェコへの負債返済の5%を朝鮮にんじんで返済したいとチェコ政府に申し入れたものです。チェコ政府は受け入れを検討しているそうです。もともとチェコは亜鉛での返済を求めていたようですが…。
この返済が日本に対してで江戸時代なら徳川幕府は喜んで即、受け入れたのではないでしょうか。朝鮮にんじんは時代劇では定番の小道具でした。台詞の中に『朝鮮にんじんさえ手に入ればこの病気が治るのに』と何度聞いたことでしょうか。
子供の頃は、日本ではあの野菜のにんじんが採れなくて、また、ずいぶん高いものだと思っていました。しかし、朝鮮にんじんは高麗にんじんともいわれ、野菜のにんじんとは全くの別物なんですね。新陳代謝を促して活力を付ける働きがある貴重なにんじんなんです。そして高価なものです。
ある文献によると大工さんが2年間飲まず食わず働いてやっと朝鮮にんじん一斤買うのが精一杯だったそうですから、時代劇のようになかなか低所得者には手に入る代物では無かっようです。
江戸時代の朝鮮はこのようにある種の医学先進国でもありました。もう一度その誇りを思い出して、世界に貢献する姿勢を見せて欲しいですね。