フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

口上

2010-03-31 23:57:27 | Weblog
関脇把瑠都の大関昇進伝達式が行われました。伝達式では口上が付き物です。かつて、若貴時代には四字熟語が一つの流行でした。不惜身命(貴乃花)堅忍不抜(若乃花)等が有名ですが、今回の把瑠都は「栄誉ある地位を汚さぬよう努力します」というシンプルなものでした。本人が意味が分からないものを使っても仕方ないとわかりやすい言葉を選んだものです。
口上の代表的なものは、舞台の上から俳優などが観客に対して述べる挨拶です。その他口頭で伝えることも口上といいますが、前口上、逃げ口上という言葉もあります。逃げ口上といえば、普天間基地移設問題に対する鳩山首相のインタビュー時の言葉が逃げ口上になっているようです。最初は「3月一杯で政府案を決定することをお約束します」から、次は「今月中でなければならないと別に法的に決まっているわけではない」更に昨日は「一日、二日、数日ずれることが何も大きな話ではない」と変わって来ました。進退窮まりかかった所で逃げをうっているようです。これは逃げ口上と言えるでしょう。
舞台からの口上では「東西、東西」と呼びかけ「隅から隅まで」と締めますが、こうした鳩山さんの軽い話が続くと、隅どころではなく目の前の有権者さえ逃げてしまいかねません。