来庁の折に足を止めて・・・
このシリーズでは散歩の途中に立ち寄ってみたい魅力のスポットを訪ねます。
今回は「市民会館、市役所」(新町、京町)。市役所や市民会館を訪れる機会は多くても、周辺の記念碑や彫像に眼を留めることは少ないかも知れません。今回は、そんな貴方への情報提供です。なお、下記の資料は令和5年度第1回「えにわ学」講座(令和5年9月30日)資料から引用しました。
再発見!
(1)平和の像
作者不詳。彫像作者について市役所に問い合わせたところ、「作者名は記載されていない。三四会に聞いてみたが、代が替わっていて分からない」「札幌の小林石材店の制作」とご教示頂いた。寄贈目録に彫像作者名が記載されていないこと、具体的な石材店名が示されたことから勘考すると、石材店の石工(匠)作と言うのが本当の所かも知れない。
確認のため小林石材店に電話で伺ったところ、現社長から「三代目の幸天市社長の時代と思われるが、記録が見つからない。ただ、この時代だと灯篭や狛犬を彫る石工(匠)はいたが、彫像を制作できる石工(匠)は北海道にいないはずだ。道外での制作かも知れない」とのご意見を頂いた。
言うまでもないが、名もなき一石工(匠)の作品であろうと、この作品の芸術性や価値を損なうものではない。むしろ、将来の平和と安寧を信じて疑わない子供らの表情を、かくも素直に具現した作家の力量に感嘆する。作者はどんな方だったのだろうか。
平和を祈念する像は全国各地に建立されている。過去の大戦の惨禍を偲び、平和を願う人々の切なる願いの象徴である。この「平和の像」にも市民の平和に対する願いが込められていると考えるべきだろう。
(2)杉村孝「双体童(わらべ)像,YÛKÔ」
小品ですが、童(わらべ)の表情が実に良いですね。作者の履歴を知ると彫刻の表情が一層深まったように感じます。
(3)記念保護樹木
これまで知らなかったけれど、北海道では由緒由来があり住民に親しまれている樹木を北海道自然環境等保全条例に基づき、「記念保護樹木」に指定して保護を図っているのだそうです(北海道自然環境等保全条例第23条第1項)。
条例によって指定した樹木は全道で105点あるそうですが(2023年現在)、恵庭ではこれのみ。全道の市町村数179を勘案すれば、これは貴重な樹木と言うことになりますね。さて、何処に? 期待外れの記念樹かも知れません・・・。
参照 1)土屋武彦「私の恵庭散歩-1恵庭の彫像」晩鐘舎2017、2)土屋武彦「私の恵庭散歩-2恵庭の記念碑」晩鐘舎2017、3)拙ブログ「豆の育種のマメな話」 2014.10.17(恵庭市民会館前庭の「平和の像」)、同2014.11.15(先人の偉業を讃える「開拓の碑」)、同2016.8.14(恵庭市民会館にある「双体童(わらべ)像,YÛKÔ」)、同2018.7.25(市役所前の「恵庭市民憲章碑」)、同2018.7.26(市役所前庭の「恵庭・テイマル姉妹都市締結10周年記念碑」)、同2022.4.25(恵庭市庁舎落成記念樹)