庭木にも、運命と言うか夫々の歴史がある。
拙宅の「スモークツリー」は、「苗木を買って帰ったら、主人にこんなもの何処に植えるのだと反対されたので、貰ってくれませんか」との経緯で、わが家にやって来た。10年位前のことだったろうか。
「スモークツリー」、初めて聞く名前だった。
(写真上:2015撮影)
◆スモークツリー(和名:ハグマノキ、ケムリノキ、カスミノキ、学名:Cotinus coggygria)
スモークツリーは英名Smoke treeで、和名は「ハグマノキ(白熊の木)」「ケムリノキ」「カスミノキ」など。学名はCotinus coggygria、ウルシ科ハグマノキ属の落葉高木。樹高3~8m、開花期は6~8月(初夏になると小さな花を咲かせ、花後に花柄がスモーク状にのびる)、分布地は南ヨーロッパ、ヒマラヤ、中国だと言う。
雌雄異株で、雌木の枝先につく花序は長さ約20cmで多数枝分かれし、花後に伸びた花柄が遠くからは煙がくすぶっているように見える(雄木は花序が短く、煙状にはならない)。
花の咲いた後の花柄が糸状に伸び、これが遠目に霞や煙のように見えることから英名のスモークツリーの名で親しまれている。ハグマ(白熊)とはヤクのことで、和名は花後の姿をヤクの白い毛でつくる払子(ホッス、仏具)に見立てたもの、とある。秋には紅葉する。(参照:鈴木庸夫「樹木図鑑/日本文芸社」など)
(写真上:2024..10.11撮影、写真下:2024.11.20撮影)
◆毎年刈り込む
拙宅の庭には高木を育てる程の空間がない。隣家の迷惑にならぬよう樹高を抑える管理をしている。雪の降る前に枝元の芽を一つ残して切り戻す。地表に這いつくばった樹形になり、翌年は新梢が1m位伸びるが伸びすぎるのは選定して抑える。
枝を切ると白い汁が出て香りが漂う。葉表は光沢のある紫がかった濃緑、裏は白っぽい。新梢の先端が赤みを帯びている。
◆10月初めまで花柄を楽しむ
初夏に咲く花木の代表と教科書にあるが、10月になっても花後の赤い花柄が風に揺れて美しい(写真は10月11日撮影)。最低気温が5℃前後になって、恵み野でも落葉樹が紅葉し、落ち葉が風に舞い始める頃、スモークツリーも紅葉が始まった。赤みの花柄も色が褪せて(写真は10月20日撮影)、枯れたものは風に吹かれ地表を転がって行く。
拙宅のスモークツリーは、花柄の赤い園芸品種だったのだ(緑がかった白色以外に、ピンクや赤の園芸種がある)。赤い花柄なれどもハグマ(白熊)と呼んで良いのかな?
ある日突然やって来た「スモークツリー」だが、今ではすっかり根づいて、わがもの顔にテリトリーを広げている。
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