麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

餓鬼大将

2017年01月13日 | 身辺雑記
それは昔むかし、まだ日本に
ガキ大将が居た頃のおはなし。

小五のクラスの学級委員は
転入生の尾花くんだった。
少し浅黒い顔にくりっとした眼、
坊主頭に長い手足。なにより
温厚な人柄ですぐみんなと馴染んで
いきなり学級委員に選ばれた。

一学期から三学期まで通して務め、
「六年もバラくんでいいよね」と
僕の仲間たちは言っていた。
バラくんは尾花のあだなだ。
説明は、長くなるからしない。

ところが親の転勤でバイバイに。
副学級委員の「ひらりえ」こと
平田理恵が有力候補になった。
女子にも人気のバラくんなきあと
クラス半数を占める女子票は
やっぱ、ひらりえに入るよな、
と思いつつ過ごした春休み。

桜が咲き、僕らは米邦(よねぐに)
小学校最上級生になった。
五六年は組替えがない。

ガキ大将の鳴門が「俺やるぞ!」
と、横分けというか何というか
独特のヘアスタイルで宣言した。
自ら「虎」と称して番長の座を狙う
暴れん坊がまさかの立候補。

あの時代、一般的図式としては、
真面目で勉強のできる優等生、
はたまたスポーツマンが学級委員で
ガキ大将はそれと対抗する勢力。
「け、何が学級会だよ、くだらねぇ」
という流れの中、みんなは
クリビツテンギョウしたものだ。

それに鳴門は~呼び捨てにしてるけど
勿論本人の前では君付けです(^_^;)
~女子をいつも「ブス」と言うし、
他のクラスの子が教室に入ると
「てめえ何しに来てんだよぉ」と
喧嘩腰で突っかかるので、
僕らは陰で「虎ぶー」と呼んでいた。

ところが。
選挙で、ひらりえが負け鳴門が勝った。
(@_@)(@_@)

ひらりえのお兄さんの倫人くんは
僕らが新入生の頃、生徒会長。
そんな家柄の平田家としては
かなりのショックだったろう。

その後、中学に入って聞いたのだが、
意外とひらりえは人気がなかったらしい。
でも、それはまた別の話…。

そんな虎ぶーが学級委員になるや、
まず電気屋の息子の早鳥羽くんが
いきなり最新のゲームソフトを
プレゼントするという抜け駆けで
ご機嫌取りに走った。

おでこが広いから脳味噌も大きいのか
勉強は一番できた早鳥羽くん。
珍しい「そうとば」姓だけれど、
僕らの町には何軒もある地主一族で
お金持ちでもあった。

調子に乗った虎ぶーは、まず芳堂、
次に豊田に難癖をつけて、
プロ野球カードや スーパーカー消ゴムを
遠回しに上納するよう圧力を掛けた。

嗚呼~(>_<)
それに対して当時なんも言えなかったな。

隣の降屋(おろしや)小学校の
番長・浦清水との抗争など、
あの一年のことはまだまだ
書きたいことが沢山あるけれど
紙片が尽きたからまた今度。

※本日のブログはフィクションであり
登場人物は実在しません。
モデルも絶対にいません。
コメント
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