麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

勘平と三平と明と、忠臣蔵。

2015年12月08日 | 制作公演関連
今年も多くの方が天に召された。

僕が理事の末席を穢す「日本新劇製作者協会」の
2015年の協会賞はドライバーの榧野明さんに。
が、理事会の決定から授与式のある総会の間に
ハンドルを天国に向け走り去ってしまった。

闘病の中、賞をとても喜んでくれていた
と、主役のいない会で聞いた。

旅公演におけるトランスポートの草分け。
ニッセイバックステージ賞を史上最年少で
受賞された方でもある。

そんな彼を「かやのさん」「明さん」
と本名で呼ぶ者はまずいない。
皆「三平ちゃん」と呼ぶ。

新劇界の巨星・宇野重吉(88年没)に
可愛がられ、彼から命名された渾名だ。

いうまでもなく名字の榧野と
忠臣蔵の萱野(かやの)三平を掛けている。

僕の東演での初旅。四国への短い巡演の
ドライバーも三平さんだった。

合掌。

***

今日開幕する『仮名手本忠臣蔵』の
早野勘平は、前段の萱野三平を
モデルにした人物といわれている。

初演以来、俳優座の渡辺聡が演じてきて
高い評価を得ていた当たり役に、
今年は加藤亮佑が挑む。
昨年は塩谷判官だった。

百八十度とまでは云わないが、
まるで異なる「勘平」は再々々演の
稽古に良い刺激を与えてくれていた。

聡勘平が本格的なストライカーだとすれば、
加藤のそれは、ゴン中山タイプの
アグレッシヴかつ泥臭く、また
どこかしらに笑える要素のあるFW。

笑いといえば『仮名手本~』では鷺坂伴内。
いわゆる「半道敵(はんどうがたき)」。
悪役だけど道化のおいしい役だ。
タイムボカンのボヤッキーみたいな、
という例えはある世代限定か?

遊戯空間では三代目になる草野峻平が
今年初めて座に加わったが、
長年務めてきたような安定感がある。

草野は塩谷家の家臣・原郷右衛門も。
コンビを組むのは、長年アングラの世界で
真ん中を張ってきた池田ヒトシ。
同じく遊戯空間初登場。
今回は千崎弥五郎という渋いポジション。
いぶし銀の演技で座を締める。

三代目鷺坂、に対して。
1979年から放送を開始し、大人気を誇った
テレビドラマ『あばれはっちゃく』の四代目
坂詰貴之は『仮名手本~』再演から参加し、
今では欠かせない役者の一人になった。

***

三平さんの話から、奇しくも中堅男優陣を
ピックアップすることになった。
ベテラン男優、女優らの話は明日以降に。

初日は18時開演。
明日の昼とともに残席が少なくなっています。
明日の夜、千秋楽昼は多少余裕あり。

コメント
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