頻繁に「地上げ業者」が現れ、明渡を迫られている
台東区台東4丁目で木造2階建ての住居を借りている平山さんは、戦前の親の代からこの場所に住み続けている。
10年程前から「地上げ」が横行し、建物の所有権が二転三転し、その度に家主(業者)が入れ代わっていた。昨年からは、この建物が競売物件の対象となり、今年の夏に3度目の競売開始の通知が東京地方裁判所から届いていた。
最近、平山さん宅に頻繁に「地上げ業者」が現れ、時には強圧的に、時には穏やかに、明渡を迫っている。平山さんは、その都度「高齢の母親がいるし、夫婦共に近所の職場で働いているので明渡す意思はない」と断っている。それでも業者は執拗に「今回が補償を貰う絶好のチャンスで、以後は補償額が下がる一方だ」とか「新しい家主が決まったら永くは住んでいられない」などと、なかなか引き下がらない。
平山さんは、業者があまりにもしつこいので、今度は組合役員に立会って貰い、業者と話し合いをすることにした。 話合い当日、組合役員から正規の代理人としての資格を有しているかと業者に質問したが、業者は明確な返答が出来ずに狼狽していた。
平山さんは「移転の意思は全くなく、今後も末永く家族3人でこの家に住み続ける」と明確に伝えた。更に組合役員が「この物件は抵当権設定より先に賃借されているので、第三者に対抗力を有している。今回の競売で競落されても、されなくても借家権は十分に法律によて保護されている」と伝えた。業者は「その通りです」と言って引き上げて行った。
東京・台東借地借家人組合
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