東京・台東借地借家人組合1

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注目される京都の更新料裁判 (京都新聞) 

2008年01月04日 | 更新料(借家)

 

賃貸住宅の更新料、是か非か
京都地裁 08年1月末に判決

 
京都新聞 (2007年12月30日)より


 賃貸マンションやアパートの住人が1、2年ごとに家主から請求される「更新料」は払う必要があるのか、それとも払わなくてもよいのか。京都や東京などで広がる更新料制度の是非について正面から争われた訴訟がこのほど京都地裁で結審し、来年1月30日に判決が言い渡される。更新料を定めている物件は100万件以上に上るともいわれ、有効か無効かの司法判断は全国的な注目を集めている。 

 訴訟はまず、京都敷金・保証金弁護団(団長・野々山宏弁護士)の全面支援を受けた京都市内の男性が今年4月、過去5年間に支払った更新料は無効として、家主に返還を求める訴えを起こしたことに始まる。これに対し、「業界全体にかかわる問題」と危機感を抱いた賃貸物件の管理業者らが「貸主更新料弁護団」(代表・田中伸弁護士)を立ち上げ、家主側の全面支援を決めた。

 訴訟の最大の争点は、「消費者の利益を一方的に害する条項は無効」と定めた消費者契約法10条の解釈だ。貸主弁護団は▽更新料は賃料の補充で、月額の賃料はその分安く設定されている▽更新により、家主からの解約申し入れを拒否できる-などの借り主側の利点を挙げて「制度には一定の合理性があり、10条違反ではない」と主張する。

 一方、借り主側の弁護団は▽賃料補充説は、右肩上がりに賃料が上昇していることが前提で、現状と異なる▽賃貸物件で立ち退きを求められるケースは基本的にない-などとして「更新料を支払う合理性はなく、消費者にとって一方的に不利益な条項。10条により無効とすべき」と反論する。

 双方の弁護団には、京都弁護士会の弁護士がそれぞれ10人以上が加わり、会を二分して全面対決する「異例の事態」になっている。主張をまとめた書面にも「消費者運動の政治的スローガン」(貸主弁護団)、「欺まん的、詐欺的。時代の流れに逆行」(敷金弁護団)と過激な言葉が並んだ。

 更新料制度は1950年代ごろに定着したとされるが、成立の経緯などははっきりしない。貸主弁護団は、国の統計などから全国に約900万件あるとされる賃貸物件のうち「少なくとも1、2割は更新料がある」と推計し、「もし制度が無効なら影響は計り知れない」とみている。

 貸主弁護団の田中代表は「これだけ社会に定着した制度をひっくり返せるはずがない。非常識な訴えに対して、常識的な判決が下る」とし、敷金弁護団事務局長の長野浩三弁護士は「不合理な制度を業界の都合で維持しようという時代遅れの態度。大学の学納金不返還も社会に定着していたが無効だった」と、双方とも勝訴を確信している。 


 (*)過去に支払った5回分の更新料(50万円)返還を求めて京都地裁に提訴した「京都更新料裁判」を報道した毎日新聞の記事はこちら。(東京・台東借地借家人組合1ブログ

 

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