At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Dreamer Of Life / Greg Yoder

2013-06-07 | Hawaii
一部好事家の間で非常に評価が高い自主系コンテンポラリー・ハワイアン作品。サンフランシスコ生まれのシンガーソングライター、グレッグ・ヨーダーが1976年にハワイで吹き込んだアコースティックな一枚です。オリジナル盤は今も高額で取引されていますが、数年前に韓国のレーベルから紙ジャケCDでリイシューされた後、Light Mellow印の帯と解説を付けた国内盤がリリースされたため、現在では音源自体の入手は比較的容易。リイシュー自体のプレス数もさほど多くないと思うので、おそらく数年もしたら市場から消えてしまうのでしょうが、今なら聴くにあたってそれほどハードルの高くない作品です。さて本作、サウンド的にはいわゆるメロウ・フォークに分類される内容で、同じコンテンポラリー・ハワイアンでもカラパナやレムリアとは異なり、同時代のブラックミュージックから受けた影響はかなり薄め。グレッグ自身のヴォーカル・ワーク含め、いかにも白人然とした雰囲気の作風に仕上がっています。この手のメロウ・フォークと呼ばれる音楽に共通することですが、白人音楽と黒人音楽のちょうど中間に位置する音楽が好きな僕にとっては、ちょっと白人度が高すぎるかなという印象。しかしながら僕個人の好みとは関係なく、アルバム自体の出来が良いことは確かで、特にA-1のタイトル曲とB-1のShe's My Ladyはハワイならではのおおらかな風を感じることが出来る佳作に仕上がっています。よく話題にあがるA-4のGolden LadyとB-5のHaven't We Metもなかなかの完成度。全体的にゆったりとしたアルバムで、いわゆるキラーと呼ばれるような曲が入っている作品ではないため、DJ的な意味でのネタ曲を探している人には不向きと思われますが、日々の疲れを癒してくれるヒーリング系の作品として捉えればこれはこれで悪くないと思います。そういう意味ではわりと大人向けの一枚。忙しい毎日に追われている人にこそ聴いてもらいたい作品です。ちなみに本作とほぼ同じ面子で録音され、ある意味姉妹盤と言えそうなライダー・キアハのアルバムは個人的に苦手。そのうち気に入ることもあるかもしれませんが、今のところ見つけては試聴し、その後にキャンセルという流れを3~4回繰り返していたりします。きっと今の自分にはこのグレッグ・ヨーダーくらいのバランス感覚がギリギリということなのでしょう。
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