At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

The Rhythm Of Life / Mike Lundy

2013-06-04 | Hawaii
ババドゥと並ぶカルト系コンテンポラリー・ハワイアンのレア盤。知っている人は知っているハワイのギタリスト兼シンガーソングライター、マイク・ランディーによる1980年の作品です。以前レコードコレクターズのコンテンポラリー・ハワイアン特集に掲載された後、Cool HawaiiからCDでリイシューがリリースされた本作。カラパナやレムリアと同系列の作品として売り出すためか、巷では何故かAORという触れ込みで紹介されていますが、そのサウンドは良くも悪くも正直AORと呼ぶほどには洗練されておらず、全体的にもう少しアーシーな雰囲気が強めな一枚となっています。最大の問題はマイク自身のいなたい歌声。これでマッキー・フェアリーのような美声を持っていたらまた印象は異なっていたのでしょうが、正直このヴォーカルでAORだとかホワイトソウルと呼ぶにはやや無理があるかと。以前マシュー・ラーキン・カーセルが話題になったときにも感じましたが、白人がグルーヴィーな音楽をやっているだけで、なんでもかんでもAORと呼ぶのは控えて頂きたいものです。…と、いきなり否定っぽい雰囲気から入ってしまいましたが、肝心のサウンドの方は極上なのでご安心を。ハワイ産のメロウグルーヴと言うことで安易にカラパナやレムリアを比較対象とするから話がおかしくなるだけで、やや毛色は違えどこれはこれで立派なアイランドメロウの逸品です。特にA-5のTropic LightningやB-1のRound And Aroundは適度ないなたさが心地良いミディアム・ナンバーでお気に入り。曲の節々から常夏の雰囲気が漂っているので、これからの季節の夜用BGMとしてはぴったりかと。B-2のタイトル曲とB-3のNothin Like Dat Funky Funky Musicは共に件のHawaiian Breaks冒頭を飾ったナンバー。初めて耳にしたときはいまいちピンと来ませんでしたが、聴けば聴くほど好きになるスルメ曲で最近はわりとよく聴いています。洗練されたAOR以外は認めないという人向けの作品ではありませんが、ある程度ローカルな作品も許容出来る方にはお勧めの一枚。良かったら是非聴いてみてください。なおオリジナルのLPは内容だけでなく、レア度と価格の面でもババドゥ並。深いこだわりがある人以外はおとなしくリイシューを買った方が身のためかと思います。
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