少し油断していたら前回の更新後あっと言う間に一か月が経ってしまいました。別に意識的に更新を避けているというわけでもないのですが、なんとなく書くタイミングを逸しているうちについつい…まぁ気を取り直して盤紹介します。今回の作品はMiami Sound Machine(マイアミ・サウンド・マシーン)による一枚。後にソロでも活躍する女性ヴォーカリストのGloria Estefan(グロリア・エステファン)と、その夫であるEmilio Estefan(エミリオ・エステファン)を中心としたバンドによる1981年作です。A-2のタイトル曲が以前Diggin' Heatに収録されていたため、B-Boy上がりのリスナーに比較的人気が高いアルバムですが、個人的には僕と同じようなリヴァイヴァル以降のAORファンにこそお勧めな一枚。全編プエルトリコ録音+NYミキシングで製作された作品で、全米からのリリースでありながら歌詞は全てスペイン語、それでいて作風自体は洗練されたカリビアン・ディスコと、昨今のニーズに完璧にマッチングした作品となっており、決してレア盤ではないものの、マイナー盤愛好家の人でもきっと気に入るはずです。程よくアメリカナイズされた都会的なアレンジと非英語圏特有の柔らかな言葉の響き、さらにソウルフルかつキュートなグロリアのヴォーカルが最高の塩梅で融合されており、どの曲も完成度が抜群。ダイアン・テルやパッツィー・ギャランあたりのフレンチ・カナディアンAORにも近い感覚となっているため、その辺りが好きな人にとってはまず間違いないでしょう。中でもアイズレー・ブラザーズ風の跳ねたアレンジが心地よいB-1のLança Perfumeや、切なくも優しいシティポップス・サウンドを奏でるB-2のQuedemos Como Amigosあたりは必聴。もちろん件のタイトル曲も素晴らしい出来です。これほどの作品がなぜ未だにCDになっていないのか不思議ですが、アナログならさして苦労することもなく手に入れることが出来るはずなので、気になる人は是非。ちなみに彼らは後に打ち込みサウンドへ移行してから何曲かヒットを飛ばしますが、そちらはLate 80's色が強すぎて正直今聴くにはややキツいため、個人的にはあまりお勧めしません。
最新の画像[もっと見る]
- Junior / Same 11年前
- Robson Jorge / Same 11年前
- Nesse Inverno / Tony Bizarro 11年前
- New Horizons / Wickety Wak 12年前
- Love Trip / 間宮 貴子 12年前
- The Radio Jazz Group / Same 15年前
- Jazz In Italy N.1 / Franco Mondini 17年前
- Jazz Quintet 58 / Same 18年前
- Bossa Nova! / Quintetto Basso Valdambrini 18年前
- New Sound From Italy / Basso-Valdambrini Octet 18年前
「Free Soul」カテゴリの最新記事
- Julie Sue / Same
- Phylliss / Phylliss Bailey
- Hey, Human / Frisco
- Otra Vez / Miami Sound Machine
- The Greatest Show On Earth / Metropolis
- This Could Be The Night / Karla Garrison
- The House Is Rockin' / Bobby Caldwell
- How Good It Is / Terri Gonzalez
- Let It Go / Raffia
- Come And Get It / Patrick Henry And The Liberation Band
彼らは、全世界で、ヒットしていて、あらかた掘られていたと思っていましたが、、
こういう知る人ぞ知る世界っていいですね、、
記事内でも書きましたが、これは多分リアルタイム派ではなく、ヒップホップ以降のレアグルーヴ世代の間で知られるアルバムかと。
普通こういう作品はCDになりやすいのですが、オリジナル発売元のCBSが昔から「売れ線」以外の再発には余り積極的ではないので、そういった関係でなかなかリイシューされないのでしょう。
でも、本当に良い作品だと思います。