クラブ・モダン両サイドのジャズ好きから話題の新譜。2年前に突如リリースした1stもヒットしたIdea 6の新作です。リリースはもちろんパオロ・スコッティ擁する伊Deja Vuレーベルから。今のところ国内盤のCDしか出ていないものの、近いうちにアナログ盤も発売されるでしょう。さて、気になるその内容ですが、前作に比べ全体的にソリッドな演奏になっていて、最近のフロア発信型ジャズとしてはかなり上質な仕上がりになっています。フランチェスカ・ソルティーノなる女性ヴォーカルを配したM-1のTune Upや、Nu Jazz的な高速ボッサ・ビートのテーマが気持ちいいM-9のTaboo辺りは、おそらくこれから先フロアでも重宝されるはず。アグレッシヴにブロウするM-8のJunior Is Back!辺りも好ハードバップで使えるかな。ただ、もしも僕が実際にDJでプレイするならば、これらの曲ではなく断然M-3のタイトル曲。Jazz Quintet 60のYake-De-Yakを思わせる高速モーダルバップで、タイトかつ格好いい(としか言いようがない)テーマが印象的なナンバーです。ベテラン3人によるソロ回しも見事で、若さに起因するキレこそないものの、円熟した大人のプレイをじっくりと聞かせてくれます。そして絶対の名曲はM-4のBell's(I'll be waiting)。本来の主役であるフロント3管ではなく、アンドレア・ポッツァのピアノとゲスト2人にスポットを当てた異色曲ですが、個人的にはこの曲が一番肌に合います。特に夜感漂いまくりな中盤のピアノ・ソロが絶品。ニコラ・コンテの2ndの雰囲気が好きな人は、おそらくこれも好きなのではないでしょうか。ちなみにM-2のMr.G.B.はバッソ=ヴァルダンブリーニによる往年の名曲Donna Luのセルフ・カヴァー。これは確実に日本のファン向けでしょう。まぁいずれにしろ、話題に事欠かない一枚であることは確かなので、興味のある人は是非購入してみてください。
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