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【景気回復ではなくバブル過膨張がコワイから利上げでは】米FRB「景気が回復で利上げ」の勘違い①

2017-03-17 00:02:59 | アメリカ

 遅きに失した金融引き締め?・・・いや、FRBそしてアメリカに「バブルの幕引き」なんてそもそも不可能だ・・・(?)

 米連邦準備制度理事会(FRB:アメリカの中銀)は1415日に開催したFOMC(連邦公開市場委員会:金融政策決定会合)で、アメリカの政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利を0.25%引き上げ、年0.751%の範囲に設定することを決めました。いわゆる「利上げ」をしたということになります。

 この決定の根拠としてFRBは、今年第4四半期の予想インフレ率が1.9%に達する見通しと、当面の目標である年率2%に近づくこと、その他、堅調な雇用の伸びや企業設備投資の改善傾向を挙げています。その一方でFRBは、米経済が速やかにヒートアップしている兆候は見当たらず、FF金利の緩やかな利上げを正当化するかたちで経済情勢が改善されると予想している、などとしています。

 ・・・このFRBのスタンス―――「米景気が回復基調にあるので利上げする」―――には、個人的には大いに違和感を覚えるところです。そうではなく・・・「巨大化し過ぎた米資産バブルのこれ以上の膨張およびその大破裂を抑え、不良債権の増加を食い止めながら、何とか経済をソフトランディングさせるために、利上げする」といったあたりが実態、というかFRBの本心に近いのではないか・・・

 アメリカは「サブプライムローン・バブル」崩壊と「リーマン・ショック」にともなう資産価額の暴落がもたらす資産デフレ、そしてさらにおそろしい金融システムの破綻を何としても回避するため、本来であれば日本流の正統派バブル清算策を取るべきところを、その苦しさに耐えられないものだから、バブルの上にさらなるバブルを「おっ被せる」という安易な(?)策を延々と行ってきたわけです。具体的には、3回にわたるFRBの量的緩和策(QE)で超低金利マネーを市場に大量に放出し、投資家および米家計にメッチャ借金をさせて株・債券・不動産・国際商品などを買わせることで、あらゆる資産価額の押し上げを図ってきました

 このあたりは、こちらの記事を含めて以前から何度も書いていることですが、さすがに商品(原油等)とかジャンク債の価格は一時よりも下落したものの、米株や不動産価格はその後も上昇し、いまやダウ工業株30種平均は2万ドルを優に超える水準に達しました。昨年11月の米大統領選以降の4か月だけで15%前後もの急騰ぶり・・・。わたしはいずれの記事の投稿時点で米資産は十分にバブリー価格とみているので、それ以降いままでの価格上昇分は、この異様な株高を含め、もはや何らの根拠もない、すべてが虚ろなバブル以外の何ものでもない、と考えています。

続く

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