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【成長の配当を万人にもたらす円預金】米シティバンク日本撤退が意味すること⑤

2014-09-03 00:04:42 | 日本

(前回からの続き)

 本稿でこれまで綴ってきたことを振り返ってみてつくづく思うのは、しつこくて申し訳ありませんが、やはり円>ドル>ユーロ>新興国通貨」つまりわが国の「」こそが主要通貨のなかでは最強の通貨だということです。

 Too Big to Fail(大きすぎてつぶせない世界の主要29行)」の一角、アメリカ屈指の金融機関で世界中から資金を集めることができるシティグループですら正攻法で―――主力のドル預金で―――円預金、それどころか円のキャッシュにすら勝てない・・・。で、「円」以上の利回りをゲットするためには預金という「安全確実」路線を放棄して一か八かのリスク勝負!ということで投資信託等の拡販等に打って出るもこれまた失敗・・・。その過程で不適切行為を繰り返し、金融当局から業務停止処分をくらい、そんなこんなで顧客の支持や信頼を十分に得られず、結局わが国を去ることに・・・。この背景には「円>ドル」、ようするに彼らシティの元手である基軸通貨ドルの価値保存力が円のそれに及ばないという事実があったことは疑いないでしょう。

 一方、わたしたち日本人のこのあたりの感覚はどうでしょうか。「たしかに外貨建て資産投資には危ない印象がある。実際、損をした人の話もよく耳にするし・・・。だからといって円預金に魅力があるようにも思えないな~。何せ利息がほとんど付かないし・・・」といったあたりではないでしょうか。まあごもっともですが・・・。

 それでもわたしたちは無意識のうちに「円>ドル>ユーロ>新興国通貨」、とくに「円>ドル」の恩寵を得ています。それにより、石油・天然ガス・小麦・大豆といった輸入原材料の円建て価格の上昇率がドル建て価格のそれ以下に抑制され、衣食住の必須コストが低い水準で安定するということです。これを言い換えると、食費、光熱費ガソリン代など、日常の生活費が少しずつ下がればその分だけ、趣味やレジャーなどに回すことができるお金が増え、ささやかながら生活の質が向上するということになります(それが個人消費を活発にさせ、わが国の実質GDPの成長に寄与します)。このあたりは100均で「へえ~こんなものまで100円[税抜価格!]で買えるんだ」といった商品に出会ったとき、あるいはスーパーで「50ml増量!」と書かれたペットボトルのお茶をいつもの金額で手にしたときなどに誰でも実感していることです(卑近な例ですみません・・・)。

 いまの円預金の金利はご存知のように本当に微々たるもの。それでも」はどの通貨よりもこうした小さな「おトク感」をたくさんもたらしてくれる―――これこそ預金通帳には表れない「受取利息」とはいえないでしょうか。生活保護世帯から富裕層に至るすべての国民が薄く広く享受するこの恩恵こそ、日本経済の実質的な成長の配当であり、豊かさの増分だと思っています。

 そしてわたしたちは本能的にそれを知っている―――円預金、つまり日本国債が万人のための「打ち出の小づち」であることを。それが本稿上段でご紹介の「保守的だ」と評される日本人の預金偏重の資産運用スタイルに現れています。保守的ですって? いえいえ、「道理に適っている」といってほしいですね、日本のメディアならば・・・。

(続く)

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