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【本邦企業、内部留保も現金預金も過去最高】日本企業の「キャッシュリッチ」ぶりに思うこと①

2016-11-27 00:04:40 | 日本

 合理的な意思決定の結果だとは思いますが、わが国の「真の」成長に向けて行うべきこともあるような・・・

 日本企業の「内部留保」が過去最高額に達しています9月に公表された財務省の今年度第1四半期法人企業統計によると、非金融法人の利益剰余金(内部留保に当たるもの)が2015年度は約378兆円と前年度(約354兆円)からたった1年間で6.6%あまりも増えて過去最高となりました。全産業(金融・保険業を除く)の売上高と経常利益はいずれも3四半期連続で前年割れとなっていることから、この利益剰余金の増加ぶりが際立ったかたちとなっています。

 で、ここでいう利益剰余金≒内部留保とは、企業が得た利益から配当等を支払った後に企業内に留保された、いわば余った利益のこと。貸借対照表では「資本」の一部で、これが増えるということは自己資本がそれだけ強化されることを意味するから、当該企業は経営基盤とか株主価値がいっそう向上したという評価が与えられるところです。

 その企業の内部留保、不動産とか株といったさまざまな資産で運用されることになるわけですが、ここで注目したいのは近年、これらの多くが「キャッシュ」すなわち「現金・預金」になっていると推察されることです。

 上のグラフは、わが国の非金融法人企業の「現金・預金」額の推移を見たものです(出典:日銀資金循環)。これによると2015年度の現金・預金額は252兆円あまりと、前年度(約237兆円)から約6.5%増加して、これまた史上最高額に達しました。上記の内部留保と同様の状況より現在、日本企業の多くが内部留保をキャッシュのかたちで抱えているようすが窺えます。

 ・・・ところで、上記グラフの推移から、企業のキャッシュ増減の傾向は本統計値採録開始の1979年から89年まで、89年から2007年くらいまで、2007年から現在まで、の3つの期間に分類できそうです。この違いをもたらした最大の要因は、やはり「バブル」でしょう。

 1989年までの一本調子の増加は、同年にピークを打ったバブルの膨張にともなうものといえそうです。で、同年から2007年までの約20年間はこのキャッシュ額は約180兆円をはさんだ増減を繰り返しています。この間、多くの企業がポスト・バブル期における過剰債務の整理に苦しみ、キャッシュを増やすことができなかった様子が窺えます。これこそまさに「失われた20年間lost 2 decades)」だったのでしょう。で、2008年から現在まで企業の現金預金は毎年、増え続けています。つまり2007年前後に本邦企業はバブルで傷んだバランスシートの調整をほぼ終え、その後は徐々に健全経営に入っていった、と考えられます。こちらの記事に書いたように、2013年には銀行に投入されていた公的資金が全額回収されましたので、同年以降はなおいっそう、金融機関を合わせた本邦企業の財務は強固になっていると考えられます。

続く

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