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【FRB利上げが始まっているのに米不動産価格は上昇、だが…】ドルのとめどもない劣化に備えた行動を③

2022-06-17 00:01:08 | アメリカ
前回からの続き)

 前述のように、真性インフレ」(実質金利が恒常的にマイナス圏に没入し続ける状態)すなわちドル劣化を根本的な原因として、ガソリン価格を筆頭にあらゆる物価の上昇がやまないアメリカですが、モノばかりかサービス価格のほうもどんどん値上がりしています。そのあたり、5月において前年同月比で5.2%も上がった家賃が代表例として挙げられるでしょう。

 でその背景にあるのは、当然ながら不動産価格の上昇です。もっとも不動産はたいていの場合、多額のローンによって購入されるもの。したがって、金利上昇(借金支払い負担増)はその価格にはネガティブに作用するから、米FRBが今般の金融引き締めに移る少し前あたりから下がってきていてもおかしくはないはず、と思っていたら・・・逆に上がっているわけです、直近も基本的には・・・

 そのへん、S&P/ケース・シラー住宅価格指数でみると、今年3月の値は294.5(2000年1月を100)と、前年同月比で20.6%も上がりました。これ、昨年3月時点での同比上昇率13.5%を大きく上回る恐ろしいほどの勢いです。しかもこの1年の間に、FRBが利上げを開始したことで価格の頭が抑えられそうになったにもかかわらず、です。そうしたなかでも、なぜ米不動産価格の上昇は加速したのか・・・

 まあそこは上述、そして本ブログでは何度も指摘のように、利上げが始まったとはいってもアメリカは実質マイナス金利状態にあるわけです。であれば、借金の利払い額を差し引いても住宅投資でプラスリターンが得られそうだ、ということでマネーが引き続き不動産市場に流入した結果、こうしてその価格が上がっている、ということなのでしょう。でもそうなると、不動産の購入者は、借金を無難に返し続けるためにも、不動産から得られる収入をいっそう増やさなければならない、ということで家賃額を値上げする必要があり・・・

 といった感じで家賃が上がっているものと思われます。こう見ると、家を借りているほうはもちろんですが、貸しているほうもきっとタイヘンですね。家賃収入が増やせないと、今度は自分がローン返済の資金繰りに窮してしまうでしょうし、だからといって家賃額を引き上げたら借家人が次々と出て行ってしまいかねないし・・・

 ・・・って、そんな状態、どう考えても持続可能なはずはありません。つまり・・・上記利上げが住宅ローン金利の押し上げをもたらして、これが不動産価格を下落に向かわせて・・・という局面に(とりあえず?)いよいよなってきそうだ、ということです。米メディアによると、30年固定の住宅ローン金利の今週の平均は6.2%あまりと、2008年の金融危機以来の高い水準に達したとのこと。そんなこともあって新規の同ローンの月々の支払額の中央値は昨年から50%以上(!?)も上昇したとの由です。となると、米経済はどうなっていきそうか、は本ブログで何度も述べているのでここでは省略しますが、行き着く先だけ書いておくと、上記「とりあえず」(不動産価格の下落→資産バブル崩壊・悪夢の資産デフレ現出)の局面を経た後(って、いや経ることなく?)、現在以上にすさまじいインフレが巻き起こって・・・となる(しかない)でしょう(?)。

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