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【巨大すぎる双子の赤字を見てもドルのインフレ通貨化は不可避だが…】夜明け前の一番黒い時期にある日本④

2022-04-07 21:40:12 | 日本
前回からの続き)

 先述した状況から、日本の「アキレス腱」(外国から輸入する以外にない国家的弱点)である「エネルギー」のドル建て価格は今後、(多少は変動しながらも)延々と上昇し続けるでしょう。それはドルが、エネルギーに代表されるモノに対して、恒常的に価値を下げていくことを意味します。そのあたり、どうしてそうなるのか、については、最近ではこちらの記事に書いたとおりですが、ではドルのモノ(≒エネルギー)に対する価値が下げ止まることはあるのでしょうか・・・って、可能性はきわめて低いと思われます、以下の点からしても・・・

 米商務省が2月に発表した2021年の貿易統計によると、アメリカの貿易赤字額は前年比18.3%増の1兆907億ドルと、2020年を上回って過去最高(最悪?)を更新するとともに、はじめて1兆ドルの大台も超えました。内外メディア報道によると、そこはコロナ禍からの景気回復で輸入が増えたため、とのことですが、ともかく、わずか1年間でも差し引き1兆ドル超のドルが外国(とくに中国[対中貿易赤字額は前年比14.5%増の3553億ドル])に流出してしまったわけです(・・・って、前も書きましたが、米中貿易摩擦は中国に非があるのではなく、同国産輸入品を代替するモノを自分で作る力量もスキルもないアメリカ自身に根本的な原因があるとみるべきですよ)。

 となると、アメリカ国内では当然ながらおカネ不足になるから、同国の財政赤字もまた膨らむことになります。で、その2021年度(2020年10月~2021年9月)の同赤字は2兆7720億ドルと前年度(約3.1兆ドル)に次ぐ過去2番目の大きさになりました(って、それでも前年よりかなり減ったというべきなのか…)。となれば・・・本来ならアメリカの「金利」は現在よりもずっと高くなって当然・・・ですが、それだと同国は耐えられないので、遅かれ早かれ同じこと―――FRBの量的緩和(≒中銀による国債の直接引き受け)によるドル増刷―――を繰り返す羽目になります(?)。何度も指摘するように、それは、もはやアメリカにはインフレ(とくにエネルギーインフレ)の抑圧ができないということになるわけです・・・

 ホント戦慄するしかありません・・・って、そんなアメリカ&ドルに・・・ではなく、そんなアメリカ&ドルに・・・対して一段と円安をもたらす政策(「異次元緩和」)を黒田日銀が続けることに、です。そしてその弊害が、世界一のエネルギー効率の恩恵(同コストの低減効果)を差し引いても露わとなりつつある―――エネルギーインフレが国民の生活を蝕みつつある―――というのに、政府・マスコミ・経済学会を含めた誰も黒田日銀の上記政策に何らの疑問の声を上げないという風土(?)にも・・・

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