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【武器輸出大国の仏、ロシアも重要なお客様…】フランス国民にとっての脅威はロシアではなくインフレのほうだ③

2022-04-21 22:16:23 | ヨーロッパ
前回からの続き)

 次期大統領の決選投票が目前(24日)に迫っているフランス・・・ですが、現職のエマニュエル・マクロン大統領、それともマリーヌ・ルペン国民連合党首のいずれが新しいリーダーになろうが、フランスの将来は明るくはないでしょう。そのあたり、まず指摘できるのはインフレ、とりわけエネルギーインフレが鎮まる見通しが立たないこと。まあこれ、前述、そしてこちらの記事に書いた事情等があるために、同国に限ったことではなくユーロ圏ではもう防ぎようがないので、大統領が誰になるかにまったくといってよいほど無関係ですが・・・

 そして、さえない国際収支も、かの国の先行きを暗示しているように思えます。報道によると、フランスの2021年の貿易収支は847億ユーロ(970億ドル)の赤字と、過去最大となった、とのこと。その最大の理由は、エネルギー価格の上昇で輸入額が膨らんだため。12月だけで赤字額は110億ユーロと月間ベースでも過去最大の赤字を記録したとのことです。他方で輸出は・・・頼みとするエアバス社の航空機の売上が落ち込んだこともあってふるわず、といったことで上記のとおり、となっています。

 個人的に、ここで思い出されるのは、こちらの記事にご紹介した潜水艦ビジネス(当初、フランスがオーストラリアに[通常型]潜水艦の輸出を計画していたのを、原子力潜水艦の技術供与を表明した米英が、事実上、その売り上げを横取り?したもの)。詳細はここでは省きますが、これ総額650億ドルもの巨額になるわけです。であれば、マクロン大統領が(もしかしたらロシアのプーチン大統領に対して、よりも激しく?)米英に対して怒るのも無理はありませんね。これ失注でフランスは大ダメージですからね・・・

 この潜水艦もそうですが、フランスはもうずいぶん前から兵器・武器を海外に大量に売りさばいてきました。その例をあげるときりがないほど?ですが、じつは、あのロシアも大切な?お得意様?です。そのあたり先日、同国のNGOが、フランスは2年前まで最新鋭の武器を同国に輸出し続けていた、と伝えました。2014年にロシアがウクライナに軍事侵攻してクリミア半島を併合した際、ロシアへの武器輸出を禁ずる制裁が導入されたのにもかかわらずフランスはその後も売り続けたとの由。同NGOは、武器の一部はいまのウクライナ侵攻に使われている可能性があると指摘しているそうな。そういえばフランスは2014年の上記侵攻の直前~その最中に、ロシアに対し、よりによって?強襲揚陸艦を売却する、なんてことをしようとしていましたね(って、国際的な非難を浴びて、しぶしぶ?売却契約を破棄し、ロシアに違約金を払った、ってことになった、と記憶していますが)。

 とまあ、おフランスとは、本当はそんな国です、誰でもご存じでしょうが(って、イタリアやスウェーデンなども、そう)。それをどう評価するか、は別にしても、裏を返せば、それはフランスに自動車や機械といったマトモなモノ作りの競争力がないことを意味しています。だから、せめて競争力?のある「破壊」の道具の輸出で、せいぜい金儲けを・・・
 
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