木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

「腹が減っては戦はできぬ」は今も昔も変わらぬ真理

2013年04月12日 | Weblog

北朝鮮のミサイル発射はまだか、まだかと大騒ぎの日本のマスコミ
だが、このミサイルに爆発物は装置されていないのだという。「何だ。そうなんだ。そうだと思った」。
それなのにこの騒ぎに便乗してPAC3とやらの迎撃装置を配備した自衛隊の方が、私には気になる。
そして「北朝鮮通」とやらのゲストの話を総合すると、まず北朝鮮の軍事装備などは旧式のものが多く、とてもアメリカ・日本・韓国を相手に本格的に攻撃を仕かけられるものではないという。
兵士も公称50万人というものの、彼らも食べるために農作業に忙しいのが現実。ましてやこれから本格的に耕作時期に入るので「戦争なんかしてる場合じゃない」。
これらを聞いていると、太平洋戦争に突入した70年前の日本とほぼ同じ状況だ。
ただ違うのは「攻撃するぞ、攻撃するぞ」と言いながら決定的な行動には出ないところ。あの時代の日本よりその点はだいぶ賢い、というか兵器の発達がとてもじゃないがそれを許さない。それこそ周辺国を道連れにして滅亡する覚悟がないとそれは無理。
日本の戦国時代でも農繁期・収穫期は避けて戦闘は行なわれた。
わが郷土は上杉・武田の「川中島の戦い」の古戦場一帯だが、一番有名な第四回目の両軍の戦いの時、信玄は旧暦の8月18日に府中(現在の甲府市)を出発している。新暦でいうと9月の半ばあたりになるのか。川中島に着陣するには一ヶ月ぐらいかかったらしいので、その頃には田んぼの収穫は済んでいる。
「幕張の杉」という言い伝えも残っている。それはまだ収穫の済んでいない田んぼで戦闘を行なわないよう農民が要請して目印の幕を張ったというもの。
「腹が減っては戦はできぬ」である。
兵士を養い、軍隊を持つことは最大の浪費だ。

オリバー・ストーン監督の「もう一つのアメリカ史」
というドキュメンタリー作品がNHKBSでシリーズで放映されている。
第2次世界大戦での連合国側の最大の貢献国はアメリカだったのか?
実は最大の犠牲を払ってナチス・ドイツの野望を砕いたのはソ連軍の奮闘だった。
私も社会科の教科書で第2次大戦の欧米の犠牲者数でソ連が突出して多いのに驚くとともに不思議に感じた記憶がある。そうだったのか。
ルーズベルト大統領の政治を支えたヘンリー・ウォレスという人物がクローズアップされていた。私はこの人物を知らなかった。
共和党と民主党という2大政党しか政治に影響力をを与えられないような今のアメリカだが、「共産主義を敵として考えるのではなく、互いに良きライバルとして、健全な競争相手として共存する」という考え方で、社会民主主義者として第三の勢力の先導者だったが、トルーマンやCIAの反共工作者達の前に敗北する。
今日のアメリカの狂気と病理は過剰な「反共誇大被害妄想」が主流になったことから始ったのかと思った。シリーズはまだ続く。

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