鳩山首相の政治資金問題。
大企業の大株主というものがどれほどの金持ちであるかがよくわかる事件?だった。
鳩山事務所で秘書を務めた経験のあるフリージャーナリストの上杉隆氏は、「安子奥様は、子供達が払う莫大な相続税のことを考えて、二人の政治家である息子に政治活動資金として自分のお金を提供するだけでなく、匿名で病院などにも多額の寄付をしていらっしゃる」というのだが、思うのは、
安子さんが大株主であるブリジストンタイヤにも派遣社員や、契約社員はいるだろうし、下請け企業もあるだろう。安子さんが使い道に苦労するほどの株主配当をせずに、ブリジストン関連で働く人にその利益を回せばいいのにということだ。
今年のベストセラー。
大手出版流通の統計によると、1位はやはり村上春樹の話題の小説『1Q84』book1・2だ。
文芸書が年間1位になるのは97年の渡辺淳一の『失楽園』以来とのこと。
そういえばありました。「失楽園ブーム」というか、現象が。
今、中古書店の棚に並んでいても手に取る気にもならない。
このブログでも触れたことがあるが、私は村上小説のよさがわからない少数派です。
2位は『読めそうで読めない間違いやすい漢字』。これは麻生さんの功績ですね。
麻生さんの漢字読めなさを笑いながら、「はて、自分はどうなんだろう」と、ふと我に返って、にわかに漢字に興味を持った結果のような。
麻生さんの残したたった一つの「功績」。
2極化が進んだ社会。
利益追求の資本主義社会の究極の姿とも言える。
具体的な生活の場面で見てみると、
まず食では、料理好きな人とそれを職業にしている調理師とか板前と言った人たちが、みずから包丁を持ち、まな板の前に立つが、普通の人はますますできあいの惣菜や、インスタント物で日常の食生活を送るようになっている。
買ってきてすぐ食べられる物、電子レンジでチンするだけでいいものなど、食品関係の企業は次々、手軽な食品を考え出し、買ってもらおうとする。
そして利益のため、効率のため、見た目がよくて、時間を置いても味が変わらないようにと添加物を巧みに取り入れる。値段も気軽に手が伸ばせる程度に設定しなくてはならない。
こうして素材の味を生かした、安心・安全な料理をみずから作って、あるいは高級店で食べる人たちと、素材の怪しさを添加物や濃い味付けでカモフラージュしたインスタント物を食べる人たちという2種類の人たちに分かれていく。
そして、普段は自分で調理するが、時にインスタントやできあいで済ませることもある、そして特別の日に、レストランで外食するといった中間的な層がどんどん減っていくのが、今の社会の姿だ。
これが衣になると食より更に顕著で、自分で作った服をいつも着ている人などよほどそれを趣味にしている人以外にはいない。
主婦も外で働く人が殆どなので時間がない。
営利企業活動に飼いならされていく羊、もしくは奴隷、自覚せぬままの。
中間がなくなっていく流れは生活から教育にまで広がっている。
家庭の経済状況によって、一部のエリートの階段を登っていく層と、環境が与えられないために学習意欲もなく、低学歴のまま社会の底辺に沈んでいく層とに分かれていく。
日本社会の分かれ道だが、政権交代3ヶ月で、まだ光は見えてこない。