木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

企業社会の奴隷

2009年12月26日 | Weblog

鳩山首相の政治資金問題。
大企業の大株主というものがどれほどの金持ちであるかがよくわかる事件?だった。
鳩山事務所で秘書を務めた経験のあるフリージャーナリストの上杉隆氏は、「安子奥様は、子供達が払う莫大な相続税のことを考えて、二人の政治家である息子に政治活動資金として自分のお金を提供するだけでなく、匿名で病院などにも多額の寄付をしていらっしゃる」というのだが、思うのは、
安子さんが大株主であるブリジストンタイヤにも派遣社員や、契約社員はいるだろうし、下請け企業もあるだろう。安子さんが使い道に苦労するほどの株主配当をせずに、ブリジストン関連で働く人にその利益を回せばいいのにということだ。

今年のベストセラー。
大手出版流通の統計によると、1位はやはり村上春樹の話題の小説『1Q84』book1・2だ。
文芸書が年間1位になるのは97年の渡辺淳一の『失楽園』以来とのこと。
そういえばありました。「失楽園ブーム」というか、現象が。
今、中古書店の棚に並んでいても手に取る気にもならない。
このブログでも触れたことがあるが、私は村上小説のよさがわからない少数派です。
2位は『読めそうで読めない間違いやすい漢字』。これは麻生さんの功績ですね。
麻生さんの漢字読めなさを笑いながら、「はて、自分はどうなんだろう」と、ふと我に返って、にわかに漢字に興味を持った結果のような。
麻生さんの残したたった一つの「功績」。

2極化が進んだ社会。
利益追求の資本主義社会の究極の姿とも言える。
具体的な生活の場面で見てみると、
まず食では、料理好きな人とそれを職業にしている調理師とか板前と言った人たちが、みずから包丁を持ち、まな板の前に立つが、普通の人はますますできあいの惣菜や、インスタント物で日常の食生活を送るようになっている。
買ってきてすぐ食べられる物、電子レンジでチンするだけでいいものなど、食品関係の企業は次々、手軽な食品を考え出し、買ってもらおうとする。
そして利益のため、効率のため、見た目がよくて、時間を置いても味が変わらないようにと添加物を巧みに取り入れる。値段も気軽に手が伸ばせる程度に設定しなくてはならない。
こうして素材の味を生かした、安心・安全な料理をみずから作って、あるいは高級店で食べる人たちと、素材の怪しさを添加物や濃い味付けでカモフラージュしたインスタント物を食べる人たちという2種類の人たちに分かれていく。
そして、普段は自分で調理するが、時にインスタントやできあいで済ませることもある、そして特別の日に、レストランで外食するといった中間的な層がどんどん減っていくのが、今の社会の姿だ。
これが衣になると食より更に顕著で、自分で作った服をいつも着ている人などよほどそれを趣味にしている人以外にはいない。
主婦も外で働く人が殆どなので時間がない。
営利企業活動に飼いならされていく羊、もしくは奴隷、自覚せぬままの。
中間がなくなっていく流れは生活から教育にまで広がっている。
家庭の経済状況によって、一部のエリートの階段を登っていく層と、環境が与えられないために学習意欲もなく、低学歴のまま社会の底辺に沈んでいく層とに分かれていく。
日本社会の分かれ道だが、政権交代3ヶ月で、まだ光は見えてこない。

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ハコモノ行政を打破するリファイン建築

2009年12月20日 | Weblog

習近平氏と天皇の会見。
中国の胡金濤国家主席の後継者と目されているという習国家副主席。
その習氏が天皇との会見を要望し、だが1ヶ月前に申し込みというルールがあったそうで、それに外れていたため、天皇の年令や健康を考え、これを宮内庁が断っていた。
それを多分、民主党の小沢幹事長の意を受けた官房長官が押し返し、会見を実現させた。
羽毛田宮内庁長官が「天皇の政治利用だ」と政府を批判したというこのこと、私などにはピンと来ない事柄だ。
まず、「天皇と会う」ということに外国の首脳がそれほどに重きを置くというのがわからない。
ましてや「天皇の名」の下に行われた日本の侵略戦争の犠牲の側だった中国が、その天皇の息子である現天皇に会うことを重要視するのはさらにわからない。
「象徴天皇制」では、天皇は日本国の象徴および国民統合の象徴であり、国政に関する権能を有しない。とある。
なんだか、苦し紛れのあいまいな表現で、これまたよくわからないが
諸外国は日本の最高権威=天皇と見ているのだろう。
しかし日本国内で皇室を見ていると、この制度に未来はないと感じる。
今日、「こどもの国」という、天皇夫妻が結婚した時に記念として作られたという公園に一家で訪れたニュースを見たが、秋篠宮家の悠仁ちゃん、かわいいけど、かわいそうだな、大人になったらどうするんだろうと思ってしまった。

長野市民会館と市役所第一庁舎建て替え問題。
ここへ来て、耐震改装で対応を、という署名活動を始めた市民有志も登場してきた。現に愛知県の市の名前は忘れたが、長野市民会館と同じぐらいの築年数の会館を耐震改装で済ませた例を挙げ、また長野市が示した耐震改修費54億円の試算にも疑問を呈している。
「週刊金曜日」に「ハコモノ行政の殻を破るリファイン建築」として、それに取り組んでいる青木茂という建築家の仕事を紹介する記事があった。
青木氏の「リファイン建築」は表面的な修繕や増改築ではなく、基本的骨組みまで壁などを全部そぎ落とす。
そうすると、建てた時の施工ミスや欠陥がわかるので、それを修復、柱や梁に耐震補強し、改めてデザインし直し、殆ど新築同然に変えてしまう。
リファインは建て替え、新築に比べ工事費を3、4割圧縮でき、古い建物の8割を再利用するので、廃棄物が極端に減る。2酸化炭素の排出量は抑えられ、環境負荷が少ない。
「建て替えたほうが安くつく。改修に補助金はつかない」という固定観念が、「ハコモノ行政」を推進する根拠だ。

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普天間飛行場は圏外へ。

2009年12月13日 | Weblog
基地提供の前提、見直しを」
12月11日付け信濃毎日新聞、水島朝穂早大教授のコラム。
今回の「沖縄普天間飛行場移設問題」はこの水島教授の言ってることにとどめをさすと思われる。
「辺野古移設でなければ、日米同盟が危ない」という政府関係者やテレビに出てくるような識者のコメント。
これに対して水島氏は「日米同盟」という言い方に疑義を呈している。
日本国憲法が想定する安全保障のあり方は、集団自衛の「軍事同盟」とは適合しない。
日米安保条約による米軍駐留も憲法的には問題ありということ。
それなのに近頃「日米同盟」「日米同盟」と当たり前のように政治家なども言っている。
私もこれにはすごく違和感を持っていた。どうしても同盟と言いたいなら「目下の同盟者」と従属関係にあることをはっきりさせなくては。
在日米軍は今や「アジア・太平洋地域」だけでなくイラクを含めてグローバルに運用されてきた。
冷戦が終わったのに、米軍の軍事介入主義をいつまで日本国民の税金でまかない続けるのか、それが日本の安全保障に役立つのか、今求めれているのは、辺野古かグアムかという目先の論議ではなく、米軍基地提供の前提を問い直すことだというのが水島氏の視点だ。
普天間飛行場の県内移設か県外移設か、はたまた国外移設かを越えて「圏外移設を」つまり、軍事基地など必要ない世界を構築することを考える時が来ている。
「政権交代」した今がチャンスだ。
新聞の衰退が言われているが、このような主張が掲載されるという点では、みんなが何気なく見ているテレビよりはいくらか新聞のほうがましだ。
新聞はなくなって欲しくない。ネットは自分の興味あるものだけを検索するが、新聞はそのほかの記事も目に入ってきて、つい読むということがある。
じっくり、全体的に読めるという利点もある。
欠点は今の版では大きすぎて、電車などでは読みにくい。
日刊新聞もタブロイド版にしたらどうなのか。
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米軍基地は日本に必要か

2009年12月05日 | Weblog
米軍普天間飛行場移設問題。
この議論のメディアの論調を見ていると、そもそもこの米軍の飛行場が必要なものなのかどうかという視点がまるでない。
米ソの「冷戦構造」が終焉している現段階で、米軍が日本を守っているなんていうことを誰も信じていないくせに、それを言わない。
とにかく危険な飛行場は撤去してもらう。その後のことはアメリカ政府=米軍が考えればいいことだ。
とにかく今までの自民党政権と官僚組織は、太平洋戦争の敗戦の後、一掃されなければならなかったのに、アメリカ政府や情報機関によって救ってもらった経緯があるので、アメリカに背を向けることができなかった。
そして政権交代後の民主党政権も出自をたどれば、主流は元自民党系、元官僚が殆ど。
アメリカと米軍基地に関して対等に話し合う位置にない。
防衛大臣に任命された北澤氏は、地元選出の参議院議員だが、およそこの任にふさわしくない。
平野官房長官と共に、鳩山総理はなぜこういう人事をしたのか問いたい。
オバマ大統領は「アフガン3万人増派」を決断した
この増派にはアメリカ国民の反発も大きいのに。間違った判断だと思うが、これでいよいよアメリカも末期のソ連邦になっていくか。
世界のためにはそれもよいと思う。軍事大国アメリカの終わりで、それが21世紀の人類への贈り物になるとよいが、その前にアフガニスタンの人々とアメリカ兵、その他同盟軍兵士の犠牲が捧げられることになる。
アメリカ社会の病巣に果敢に切り込むドキュメンタリー映画をつくり続けているマイケル・ムーア監督が新作『キャピタリズム マネーは踊る』の日本公開に先駆けて来日した。
NHK「クローズアップ現代」で国谷キャスターのインタビューに答えていたが、このインタビューはやや焦点のぼけたオブラートに包まれたものだったが、CS「朝日ニュースター」の「デモクラシーNOW」というアメリカ独立系メディアのインタビューでは、
「アメリカの資本主義はアメリカ国民のたった1パーセントの人々が、99パーセントの富を奪い去り、99パーセントの人々が1パーセントの富を奪い合っている」と批判。
「ここに10人の人がいて、10切れのケーキがあるとして、たった一人が9切れのケーキを平らげ、あとの9人がたった1切れのケーキをうばいあうんですよ。こんな制度は間違ってる。ケーキは一人に1切れあれば充分なはずなのに」と叫んでいた。
GMの工場のある町で育ち、父もおじ達もGMの従業員だったという労働者の息子ムーア氏。
中間層がいなくなり、1パーセントの富める人と、99パーセントの貧しい人々という2極化の進んだアメリカ社会。
日本もその様相が濃くなってきた。
広い中間層の存在、それが安定した社会のはずなのに、強欲に富を独占しようとする一部の人間の心理と行動がわからない。
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