木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

原発は地球温暖化の元凶

2011年11月27日 | Weblog

環境省に「汚染土」
先週の話だが、福島第一原発事故による放射性物質で汚染した土が環境省に送られてきた。
小出裕章先生の言っている「東電や経産省等が汚染土やがれきを引き受けるべき」ということを実践した人がいたわけだ。
環境省もいいけど、まずは東電本社に送るのが一番適切ではなかったろうか。
こういう抗議方法をもっともっとした方がいいと思う。そういう形で責任取るべきだ。
環境省はその汚染土を省内で保管すればよかったのだ。それを総務課長が「自宅の庭で処分する」と持ち帰るはずが、自宅が同じ方面の部下が引き取って、自宅庭ではなく、近所の空き地に廃棄したのだ。
いかにも組織の論理だ。部下がゴマスリして「私が処分します」と申し出たのか、それとも課長の方が「君、適当に処分しておいてくれ」と言ったのか。
部下が申し出てもそれを断って自分が責任を持つのが上司だろうと、私は思うが、日本のあらゆる組織は下に責任を押し付けることが当たり前の歪んだ体制だ。

まだ建設途中の原発である青森県の大間原発の地元に、たった一人で原発建設反対を主張し、土地を売らない農婦がいた。
今はその娘さんや孫が活動を引き継いでいる。
大間といえばマグロの一本釣りで有名な漁業の町だが、その大間の漁業が衰退していったのは、青函トンネルの建設によって海の生態系が変わり魚が減ったことが影響していると言っていた。
原発も海底トンネルも海を変えてしまう。
小出先生の書いた『原発のウソ』には恩師から原発のことを「海温め装置」と呼びなさいと言われたというエピソードが書かれているという。
標準的な原発の発電量は100万キロワットだが、原子炉の中では300万キロワットの熱が生み出される。その3分の1を電気に変え、残りの3分の2は海に捨てている。
原発の中に引き込んだ海水で原子炉の熱を冷やし、温まった水を海へ戻している。
日本の原発54基が全て稼働した状態なら、1年間に1千億トンの海水を7度温めて海へ戻していたことになる。
地球温暖化の原因の一つを「原発」が作っていたことになる。
大間で原発建設に抵抗していた熊本あさ子さんは、反対の象徴として「あさ子ハウス」という小屋を作り、風力と太陽光で電気をまかなう試みをしていた。天候に左右されるので、全てをまかなえなかったようだけど、娘の厚子さんは付近を流れる川の水を利用して水力発電も取り入れる予定だと言っていた。これだと24時間稼働可能だ。
大電力を大送電網で供給することばかり考えるのではなく、「電力の地産地消」進めれば、「原発稼働」の根拠は崩れる。

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TPP参加の向こうにある悲惨

2011年11月20日 | Weblog

林業の次は農業の崩壊。TPP参加で日本列島は崩壊列島へ。
野田首相は日本国内の「拙速、疑問」の声にもかかわらず、「TPP参加表明」をした。
この売国行動に対して、マスコミの誘導する世論調査を見る限り一般国民の反応はやや鈍い。
農産物の関税がゼロになり、医療や金融に関するルールも全てアメリカ流が求められ、それに反すれば、企業が相手国の政府を訴えることもできるという内容がどれほど日本の社会を絶望的な状態に陥れてしまうかをにわかに想像できない、いや想像することを許さないための情報隠しが行われているためだ。
農業の前にすでに林業が関税ゼロにより崩壊した。その結果、山は荒れ、大雨が降ると濁流は一気に山を駆け下り、ふもとの家々を押し流し、今では都市もしばしば洪水に見舞われている。
里山が手入れされなくなり、山と人の住む村との境界があいまいになり、クマやイノシシがえさを求めて住宅街にまで出没するようになっている。
林業の衰退は関税ゼロのためだけではないという主張もあるが、主なる要素であることには違いないのでは。
70年代、安い外材で多くの家が新築された。私の住む農村地域でも殆どの家がそれまでの藁葺きの農家から都会風の家に建て替えた。
ところがそれから30年以上たって、また農村の人達は新しい家に建て替えている。
外材を多用した洋風の家は意外にも快適ではなかったようだ。冬は寒く夏は暑い。
それを石油ストーブやエアコンでエネルギーを盛大に使ってしのいできたのだが。
やはりここへ来て、できるだけ国内産、それも地元産の木材を使う方が長持ちして、居心地がいいと見直され始めているが、この経験に学べば安易に農業を捨てると、林業以上に取り返しのつかないことになる。

盲腸手術100万円、歯科インプラント治療10万円。
自民党内で「TPP参加反対」の取りまとめ役をしている加藤紘一議員は「TPPは関税の問題という以上にルールの問題だ」と言っていた。
「すべてアメリカの基準に合わせよ」というのがアメリカの要求であり、TPPの本質だ。
アメリカの基準・ルールに合わせるとどういうことになるか。
遺伝子組み換え食品は表示の必要なし。
薬の服用量も身体の大きいアメリカ人に合わせた内容のものが流通自由。
その他残留農薬の基準も現在の日本のものより緩和されることになる。
極め付きは日本の誇る「国民皆保険の破壊」だ。
保険会社の力が非常に強いアメリカでは、国民皆保険制度の成立を妨害し、上記のような医療費がかかる。
これでは貧しい人は盲腸手術もできず、苦しみながら死ぬしかない。
そんな悲惨な状況がかつて昭和30年代までの日本にもあった。
それを無くすために作られた「国民健康保険制度」。
アメリカの保険会社が狙うのは「医療の自由化」。それによって、今進行している地方の医療体制は更に崩壊し、皆保険が意味をなさなくなる。
「よくわからない」だの「どちらかというとTPPに参加したほうがいい」などととぼけたことを答えている場合ではない。
将来、日本国民にこれほどの痛苦を与えるであろう協定に参加しようとしている野田売国政権。
なぜこれほどまでに売国的になれるのか。
私はよく韓国ドラマを見るが、日本の植民地時代を描いたドラマを見ると、必ず日本の権力者に擦り寄って利益を得る人物が登場する。
同朋の苦しみをよそに自分の利益だけを考える人間はどこにでもいる。
今「TPP参加賛成」を唱える政・官・財・学、そしてマスコミ人は「自分さえよければいい」という連中だ。
ドラマでは売国奴は最後は鉄槌を下されるが、現実では「悪い奴はしぶとく生き残る」のである。

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放射能汚染物質を引き受けるべきはまずは東電

2011年11月13日 | Weblog

報道陣、福島第一原発の事故現場へ。
細野原発担当大臣の視察に同行という形で、NHKをはじめとした大手メディアの記者が初めて現場に立った。
想像以上のぶっ壊れ方だ。ただフリーのジャーナリストがすでに独自のつてを使って、この無残に壊れた原発建屋の撮影をしていて、週刊誌には掲載されている。
防護服に身を包んでの取材だが、当然のことながら現場の放射線量は高い。
その中で、東電社員、下請け、孫請けの作業員が連日1000人単位で作業しているわけだが、「原発再稼働」を言う人は、政治家も経済人もこの現場に入って作業し、事故終息に少しでも貢献してからそういうことを言ってほしいものだ。
放射能に汚染されたがれきや除染した土の行き場をどうするか、悩ましい問題だが、京大原子炉実験所の助教小出裕章氏は、汚染物質はまず東電の本社で引き受けるべきだと言っている。私もそう思う。
密閉容器に入れて本社の敷地や、会長室、社長室に保管するのがよい。
そうしておいてはじめてとても保管しきれない汚染物質をどこへという話になるのでは。
東電の原発敷地内と、その周辺しか現実的には保管場所はない。
放射能汚染物質はすでに地球上を回っている。汚染度が高いか低いかの違いだけだ。
ただ目に見えない、それと低レベルの汚染物質を浴びても、それこそ事故当初枝野官房長官がこだまのように繰り返した「ただちに健康に影響はない?」ので、みな不安をかかえながら日常生活を送っている。
小出先生は「福島の野菜や米は東京電力の社員食堂、永田町の議員食堂で食べろ。福島の子供達にはなるべく福島から離れたところのものを食べさせるべき。自分は福島のものを食べる」と主張している。これにも賛成。
東電も今まで原発を推進・容認してきた政治家も当事者意識、犯罪を犯したのだという認識がなさすぎる。

チェルノブイリ事故を起こした旧ソ連の原発は?
旧ソ連、コーカサス地方の政治・社会・文化の研究者の話。
旧ソ連の国々ではチェルノブイリ以降、むしろ原発依存が進んでいるという。
事故の影響を受けたヨーロッパ諸国が真剣に「脱原発」を考え始めたのに、当事国がこのありさまだ。現在の日本の状況とよく似てる。
放射能汚染の恐ろしさに無知で、情報が伝わっておらず、「原発はコスト安」と思い込んでいる。
絶望的な気持になった。経済成長の悪霊にとりつかれた人類。放射能汚染に蝕まれ、地球本来の寿命のはるか以前に人類は滅亡するという予感がする。

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お金を天下の廻りものに。

2011年11月06日 | Weblog

ギリシャ財政危機。
ギリシャは破たん国家になるのか、注目されたが、ギリギリのところでそれは回避されるようだ。
そもそも危機にいたる原因についてはいろいろ言われているが、それをどうこういうほどの材料は持っていない。
ただギリシャというとギリシャ文明の地であり、ケネディー米大統領の未亡人と再婚した船舶王オナシス氏あたりが思い浮かぶ。
そのギリシャ・アテネの港からエーゲ海の島々をめぐるクルーズ船に乗るツアーに参加したことがある(80年代初頭)。
ギリシャには産業らしい産業がなく観光が唯一の産業という言い方がされているが、やはりギリシャは日本人観光客にとって大変魅力的な地で、パルテノン神殿など日本人観光客があちこちに見られ、別々のツアーに参加しながらそこで偶然に会ってあいさつを交わしている知り合い同士もいるほどだった。
ギリシャがEUに加盟するにあたり、その条件を満たすためにかさ上げした財務表を作る指南をしたのはアメリカの会計会社だったそうで、またドイツやフランスは域内になったギリシャへの輸出で多いに利益をあげ、自国の経済がそれでうるおった面もあるということで、「放漫財政のギリシャを何で助けなくちゃいけないんだ」という非難は必ずしも正当な言い分とはいえないという。
ギリシャの徴税はかなりゆるやかなもので、金持ちが相応の税金を払っていないという問題もあって、ギリシャの庶民階級はそれに対しても怒っているということだ。
そして次に財政破たんが心配されるのはイタリア、そしてスペインだとのこと。
私はイタリアのローマ、スペイン各都市にも旅したことがあるが、ギリシャとともに、自分にとってはとても波長のあう国に思えた。
過去の文明の遺跡が街の中に調和して残っていて、あくせくしてない。
今回の次々に起こるEU域内の「財政危機」は、いわばアメリカとヨーロッパのせめぎあいという部分があるということで、EUを破たんさせたいアメリカと、連携してヨーロッパの利益を守りたいEU諸国という構図。
ギリシャ、イタリア共に「年金大国」。つまり高齢者優遇。それに比して意外にも北欧諸国は現役世代に配慮。そのかわり医療・介護を充実させ、高齢者も安心して生活できるような社会政策を採っている。
日本でもこのままでは少子高齢化の現実の前で、「年金財政」が破たんするというので、給付の切り下げと支給開始年令の先延ばしが言われている。
ただ私が素朴に思うのは、年金を支給されいる世代も受け取った年金をただただ溜め込んでいるわけではなく、それは日常の衣食や医療費や介護などに使っているわけで、お金は世の中に廻っている。経済活動はお金が世の中全体に廻って現実の需要に使われることが大切なのではないだろうか。
大企業が労働者から絞り上げた利益を溜め込み、それをマネーゲーム、投機(投資ではなく)に回して「ただ儲け」するのとはわけが違うと思うのだけど。

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